「週刊ゴルフダイジェスト」や「みんなのゴルフダイジェスト」で、障害者ゴルフの取材記事を執筆したベテラン編集者が、日本だけでなく世界にアンテナを巡らせて、障害者ゴルフのさまざまな情報を紹介する連載。今回は日本障害者ゴルフ協会(DGA)の代表、松田治子さんの「令和6年度日本パラスポーツ協会特別功労章」受章コメントを紹介します。
画像: 松田治子代表。DGAは今年30周年を迎える。「これからも命ある限り、障害者ゴルフの普及・振興をしていきたいです」

松田治子代表。DGAは今年30周年を迎える。「これからも命ある限り、障害者ゴルフの普及・振興をしていきたいです」

今回はこの連載にも度々ご登場いただいている日本障害者ゴルフ協会(DGA)の代表、松田治子さんが、令和6年度日本パラスポーツ協会特別功労章を受章されました。パラスポーツの発展に特に顕著な功労・功績のあった方を表彰するもので、「ゴルフ」関連の方が表彰されることは、我々にとっても大変嬉しいもの。遅ればせながら今回は、今年の3月に行われた表彰式での松田さんの挨拶をご紹介したいと思います。

画像: 受章者を代表してのスピーチ。同席していたDGA理事によると「さすが代表。とてもあたたかい話に、皆さん聞き入っていました」

受章者を代表してのスピーチ。同席していたDGA理事によると「さすが代表。とてもあたたかい話に、皆さん聞き入っていました」

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本日は名誉ある賞をいただきまして、誠にありがとうございます。

授賞式のための準備、設定をしていただきました日本パラスポーツ協会の皆様に厚くお礼申し上げます。

さて、私は1996年にふとしたご縁から日本障害者ゴルフ協会の前身である日本身体障害者ゴルフ連盟のお手伝いをすることになりました。最初は1回の大会お手伝いで辞めるつもりでいましたのが、30年間も協会の運営に関わることになりました。その間には楽しいことも辛いこともたくさんありました。

特に日本ではまだ障害者ゴルフの周知が進んでいないことから、毎回大会などのゴルフ場選びや交渉には苦労しておりますし、スポンサー獲得も容易ではなく財政的には苦労が絶えません。人手も足りず、煩雑な事務に長時間を費やし、泣きたくなることもありました。

しかしながら、私は一度も活動をやめようと考えたことはございません。その理由は障害者の皆さんが障害を超えてゴルフに挑戦する姿が私に感動を与えてくれるからです。

義足や義手の選手が障害を感じさせない素晴らしいボールを打つ瞬間や脳血管障害で片マヒになった選手が一生懸命プレーする姿などを見るたびに私は元気をもらいました。30年間活動を続けるなかで、ゴルフの楽しみや生きる勇気を与えていただいたのはむしろ私のほうでした。その感動をたくさんの方に伝えるのが私の使命と思っています。

これからも命ある限り障害者ゴルフの普及と振興に努めて行く所存です。活動を支えていただいた多くの皆様、そして私にいつも元気を与えてくれる障害者ゴルファーの皆さん、そして活動をいつも支えてくれるスタッフの皆さんに深く感謝します。本日の受賞はたくさんの方々のおかげと考え、感謝を持ちまして私の挨拶とさせていただきます。

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画像: 各競技団体自体の活動強化はもちろん、パラスポーツ界全体が、さまざまなつながりを持ってこそ、その活動は広がっていく

各競技団体自体の活動強化はもちろん、パラスポーツ界全体が、さまざまなつながりを持ってこそ、その活動は広がっていく

30年間の気持ちが込められていますよね。

この表彰式では、スポーツ協会、指導者協議会、競技団体、スポーツセンター、協賛企業、日本パラスポーツ協会の関連団体などの皆さんが集まり、様々な交流が行われたとのこと。今年11月には「東京2025デフリンピック」、来年には「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」が開催されます。パラスポーツ全体が周知されることは、障害者ゴルフが盛り上がるためにも必要不可欠。“つながり”の糸口は、いろいろな場に存在します。

松田治子さんは、雑誌編集のご経験もあり、語学堪能、もちろんゴルフも大好きな“パワフルウーマン”です。その人物像は、また機会を作ってこちらで紹介したいと思っています。

画像: 表彰式に参加していた増田明美さんからも労いの言葉が。増田さんの「コメント力」の伝授があったかどうかは……

表彰式に参加していた増田明美さんからも労いの言葉が。増田さんの「コメント力」の伝授があったかどうかは……

写真/日本障害者ゴルフ協会

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