スコアの伸ばし合いになった本戦「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」2日目の熱気を保ったまま、多くのギャラリーを集める「2025朝日インテック ドライビング女王コンテスト」が今年も土曜日のホールアウト後の開催されました。出場選手は服部真夕、荒川怜郁、野澤真央、アマチュア後藤あい、入谷響、神谷そら、小林夢果、穴井詩、工藤遥加の9名が集まりドラコン女王を目指して会場を大いに沸かせました。

JLPGA「公認2025朝日インテックドライビング女王コンテスト」で優勝した後藤あい(中)、2位穴井詩(左)、3位神谷そら(右)
トップバッターの服部真夕が233.1Yを飛ばしスタートすると、飛ばし屋の荒川怜郁は記録なし、野澤真央選手は245.2Yと記録を伸ばします。そして4番目で登場したのがアマチュア後藤あい選手。後藤選手は、穴井詩選手と同じコーチに師事し、飛距離も穴井選手に引けを取らない高校2年生です。
「ライバルは穴井選手」と話すと1球目からぶっ飛ばします。その弾道から会場にはどよめきが起き、飛距離は277.8Yのアナウンスに大歓声が上がりました。ボール初速は70m/sと女子では見たことのないような数値を叩き出し、改めてそのポテンシャルを披露しました。

277.8Yを飛ばしアマチュア初のドライビング女王となった後藤あい
続く入谷響選手はランを稼ぐことができずに253.6Y、本戦では首位に立つ初出場の神谷そら選手は「これまで熱中症やケガで出場できなかった」といい、273.4Yと後藤選手に次ぐ、2位の飛距離を記録します。最終日に影響のない範囲で振ったようにも見えましたが、今季のドライビングディスタンス2位という成績通りの飛距離を出していました。

本戦は首位タイで最終日に向かう神谷そらは273.4Yで3位
7人目は小林夢果選手は、打つ前からドライバーの不調を訴えますが263.9Yとまずまずの飛距離を記録すると、歴代チャンピオンの穴井詩選手が登場します。ゆっくりとひざを折ってティーアップするその姿に会場が一瞬静まりかえると、実は腰を痛めてしまいティーアップするのも困難なコンディションとの中継アナウンサーの言葉。
本戦を2アンダー31位タイで決勝ラウンドに進出していますが、腰の痛みに耐えながらのラウンドだったそうです。その状態でもこのドライビング女王コンテストだけは出場したい、妹弟子には負けられない、という熱いハートで渾身のドライバーショットを放つと、274.4Yを叩き出しました。2球目にもチャレンジしましたが1球目に及ばずに終えました。

腰を痛めながらも出場した穴井詩は274.4Yで2位で終えた
最後にディフェンディングチャンピオンの工藤遥加選手が登場するも270.7Yに終わり、アマチュアの後藤あい選手がアマチュア初のドライビング女王となり、2位に穴井詩選手274.4Y、3位に神谷そら選手273.4Yという結果で幕を閉じました。

ドライビング女王として賞金50万円を受け取った
後藤あい選手は優勝スピーチで「飛んで曲がらない選手を目指します」と話し、まだまだ飛距離を求める大型プレーヤーへと期待が膨らみます。後藤選手のドライバーのスペックはキャロウェイ「エリート」8.5度、シャフトはUSTマミヤ「アッタススピード」のF1フレックスでこのシャフトは38gと軽量でフレックスはRよりも軟らかいスペックだと言います。

キャロウェイ「エリート」の8.5度にUSTマミヤ「アッタススピード」のF1フレックス(Rよりも軟らかいフレックス)でドライビング女王に輝いた
後藤選手はこのシャフトに変えた理由を「タイミングが取りやすくなって曲がりの幅も少なくなった」と言い、8月の日本ジュニアゴルフでは2位タイの成績を収めていますのでヘッドスピードのある選手が軽量で軟らかいシャフト使用するメリットを再認識しました。
残念ながら本戦は2オーバーで終え、カットラインに2打及びませんでしたが、「日本女子オープン」の最終予選を勝ち上がっているので大舞台でその姿が見られことでしょう。
写真/中村修