「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」の最終日は、勝負の行方が最終ホールまで読めない展開。その混戦を制した神谷そらが今季2勝目(通算4勝目)を飾った。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が現地からのレポートをお届けします。

気温28.8度、風速4.8mと3日間で最も強い風が吹いた最終日となりました。グリーンの状態は、硬さもスピードもあった初日から、2日目の午前に中断になった雨と、2日目の夜遅くに降り出した雨の影響で日に日に遅くなるコンディション。風の影響とアウトコースはドッグレッグや狭いホールもありスコアを伸ばす選手は少なく上位陣は小康状態が続きます。

画像: 「住友生命レディス東海クラシック」で今季2勝目を飾った神谷そら

「住友生命レディス東海クラシック」で今季2勝目を飾った神谷そら

最終組から5組前で5アンダー13位タイでスタートした髙野愛姫選手が前半を3アンダーでターンし、後半も4バーディ1ボギーで11アンダーまで一気にスコアを伸ばしクラブハウスリーダーで終えます。

上位陣は後半に入ると神谷そら選手が11番、13番、15番とバーディを重ね、イ・ミニョン選手も13番から3連続バーディ。どちらも譲りません。同じ最終組の荒木優奈選手も16番、17番の連続バーディで首位に追いつく、まさにデッドヒート。ところがイ・ミニョン選手が17番でボギーとし一歩後退。

最終18番ホールは神谷選手と荒木選手が13アンダーで並び、1打差でイ・ミニョン選手が追いティーショットに向かいます。17番をバーディとしたオナーの荒木選手は3Wを握るとフェアウェイ左の池に打ち込む痛恨の一打。イ・ミニョン選手は右のラフ、神谷選手はフェアウェイに刻み、荒木選手の池の1ペナルティを払ってピンを狙った3打目は寄せきれません。

神谷、イ・ミニョン選手は2パット圏内に乗せ、パーを取りに行った荒木選手は3パットのダブルボギー、イ・ミニョン選手もバーディを奪えず、神谷選手が2パットのパーで今季2勝目を手にしました。

神谷選手をはじめとする飛ばし屋たちが苦手にする新南愛知CC美浜コースは、ティーショットが難しいホールが多く、パー3の距離も200Y前後と距離も長いアウトコースでいかにスコアを崩さずにやり過ごし、インコースでスコアを伸ばせるかがカギになっていました。2日目を終えた神谷選手のコメントでは「このコースで伸ばし合いについていける気がしない。ちょっとわけわかんないです、自分が今ここにいるのが。とりあえず3日間回れたらっていう目標だったんで。たぶん明日はもうガチガチに緊張です。でもあんまり優勝争いで緊張してこなかったんでどうなるか」と不安も口にしていました。

しかし、神谷選手は初日と2日目のアウトコースを34でプレーし、最終日は36とスコアを崩さず、インコースは3日目まで33の3アンダーとまとめたことで最終的に1打のリードを守り優勝を飾りました。

画像: パーオンホールの平均パット1位とパッティングも好調

パーオンホールの平均パット1位とパッティングも好調

優勝会見では前半にボギーが続いたことで「やっぱり苦手なコース。でも逆に冷静になれた。キャディさんもパッティングは悪くないと言ってくれて9番のロングパットを決めることができて、(前向きに)そう思えた」とポジティブな気持ちで後半に向かえたと言います。

オフから師事する坂詰和久コーチと取り組むパーオン率の向上が成果を発揮した後半。11番166Yのパー3でバーディ、13番パー4の2打目を172Yから7番アイアンで6mに乗せバーディ、15番パー5で残り203Yの2打目をグリーン右手前まで運びバーディ。3つのバーディ優勝を手繰り寄せました。

画像: パーオン率を向上させる取り組みが成果に表れ苦手なコースでも優勝を手にした

パーオン率を向上させる取り組みが成果に表れ苦手なコースでも優勝を手にした

パーオン率は25位、パーオンホールの平均パット1位、平均バーディ数1位、バウンスバック率1位、イーグル数1位、ドライビングディスタンス1位と今大会の優勝でポイントランク2位に浮上した神谷選手のプレースタイルが見えてくるスタッツが並びます。

今季二人目の複数回優勝を挙げ、着実に力をつけて来たことを示した神谷そら選手。ポイントランク女王争いも楽しみになってきました。

写真/大澤進二

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