
金谷拓実とのプレーオフで惜敗した石川遼(撮影/岡沢裕行)
今季初優勝、通算21勝目はならなかった。
プレーオフの1ホール目はお互いパーで分け、迎えた2ホール目。石川はティーショットを右バンカーに打ち込んだ。第2打は7Iか8Iで悩んだ末に8Iを選択。これが裏目に出てグリーン手前花道にショートした。得意のアプローチで奥1.5メートルに寄せたが、パーパットがカップに蹴られてしまった。
「悔しいショットはいっぱいあるんですけど、プレーオフの2ホール目のティーショットを3番ウッドで打って、少し右に抜けてもバンカー手前側かなと思っていたら、思ったより飛んでしまった。マネジメントミスというか、少し悔やまれるところかなと思います」
この日は首位との3打差を追いかけてスタートした。前半で2つスコアを伸ばして迎えた後半16番パー3。右6メートルのバーディパットを決め、この時点で単独首位に浮上した。

17番パー5のピンチをスーパーアプローチでパーセーブした石川(撮影/岡沢裕行)
輪厚の名物ホール、左ドッグレッグの17番パー5では石川らしい「魅せる」プレーを披露した。ティーショットを右の林に打ち込み、前に白樺が立ちはだかる状況から打った第2打はミスして手前のラフに届いただけ。ピンまで190ヤードの第3打はグリーン右手前のバンカーにつかまり、このバンカーショットもグリーン左奥ラフに外したが、このアプローチでミラクルチップインパー。大勢のギャラリーを沸かせた。
「17番のアプローチはかなり緊張したんですけど、練習したことができたなと打った瞬間思って、試合のああいうプレッシャーの中で再現できると弾みになる。そこはすごくよかったと思います」
優勝こそ果たせなかったが、2週前の「ロピア フジサンケイクラシック」の10位で今季初のトップ10入りを記録し、今週は今季自己最高の2位。確実に復調の階段を上ってきている。
「自分がなんでこのスコアで回れているのか分からないという感じはなくなってきた。自分の内容についてスコアと評価がつながってきているところは増えている。特に今週は取り組んできたアプローチも今週は頑張れたので、それが結果に表れているのかなと思います」
酷暑のシーズンもようやく終わりの兆しを見せ、いよいよ石川が得意とする秋の陣。完全復調を告げる日も近そうだ。