晴天の9月22日、月曜日午前7時。朝陽に照らされたライダーカップの開催コース、ニューヨーク、ベスページブラックで米チームがユニフォームに身を包み結団式に臨みその模様を主催するPGAオブ・アメリカがYouTubeにアップした。キーガン・ブラッドリーキャプテンが円陣の中心で「ここは我々のアリーナ、我々の時間。ホームコースで星条旗のもと全力を尽くして楽しもう」と選手たちを鼓舞したあとニューヨーク市消防庁(以下FDNY)の面々がチームを激励した。

FDNYのセレモニー担当ブライアン・A・ロビンソン氏が心に響くバリトンボイスで国歌を歌唱。選手たちは脱帽して神妙な表情で聞き入った。

画像: 結団式で国歌を歌唱したブライアン・A・ロビンソン氏

結団式で国歌を歌唱したブライアン・A・ロビンソン氏

そのあと2001年世界貿易センターの同時多発テロで殉職した343人の消防隊員のなかのひとりジョー・マッカリー氏の息子クリスさん(彼もまたFDNYの消防隊員)がキャプテンの要請でスピーチをおこなった。

画像: クリス・マッカリー氏、そしてマッカリー氏の息子ジョイ君(右)と米チームキャプテン、キーガン・ブラッドリー(左)

クリス・マッカリー氏、そしてマッカリー氏の息子ジョイ君(右)と米チームキャプテン、キーガン・ブラッドリー(左)

「24年前の9月11日、その日も今日のように清々しい朝でした。普段と変わらない日常が繰り返されるはずが一変したのです」と語りはじめたクリスさん。

「父は世界貿易センターで人々を救出するため出動し命を落としました」

画像: 2025年ライダーカップの舞台はニューヨーク。9.11でFDNYだった父を亡くし、そして現在はFDNYの消防隊員として勤めるマッカリー氏が、米チームに向けてスピーチを行った

2025年ライダーカップの舞台はニューヨーク。9.11でFDNYだった父を亡くし、そして現在はFDNYの消防隊員として勤めるマッカリー氏が、米チームに向けてスピーチを行った

あれから四半世紀。当事者ではなくても胸が詰まるストーリーに耳を傾けた選手たちの表情は神妙だ。

「ライダーカップは自分のためだけではなく我が国を代表して戦うプライドの一戦でもあります。ベスページは誰でもプレーできるパブリックコース。そこで我々があなたたちの味方として応援していることをわかって欲しい」

「誇り高いアメリカのために今週はあなたたちが輝く瞬間です。プライドを胸にカップを掴みましょう。行け、アメリカ!」

隣にいるまだ小さい息子ジョイ君の肩を抱いたクリスさんは「息子のような年齢の子供たちがいつかあなたたちのようなゴルファーになる、なりたいと思うかもしれません。会場が揺れるほどの声援が響き轟くことでしょう」

「炎と戦った勇敢な消防士がいたここニューヨークでチームとしてお互いを信頼し手を携えて勝ち切ってもらいたい。ライダーカップをここに持ち帰ってください。幸運を祈ります! God Bless America(神のご加護がありますように)」

スピーチを終えたクリスさんは人差し指で天を指した。そこにいる父に選手たちに力を与えて欲しいといわんばかりに。

画像: 円陣を組む米チーム

円陣を組む米チーム

なおPGAオブ・アメリカはこれまで大会前日の木曜日に開催されてきた開会式を水曜日におこなうことを発表した。

ベスページ周辺では木曜日の午後雨が降る予報が出されており前日に前倒しし午後3時からプレショー、午後4時から開会式を開催する。

両キャプテンによる初日のペアリングの発表は従来通り木曜日の午後におこなわれるが場所は未定だ。

ライダーカップ公式YouTubeで米チーム結団式の模様をチェック(英語)

画像: A Team United: U.S. Ryder Cup Team Shares a New York Moment They’ll Remember for a Lifetime www.youtube.com

A Team United: U.S. Ryder Cup Team Shares a New York Moment They’ll Remember for a Lifetime

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