米女子ツアーもシーズン終盤に差し掛かり、「シード」「準シード」という言葉が記事に躍る季節になってきました。では、そもそも米女子ツアーの「シード」「準シード」とはなんなのか? そこをおさらいしたいと思います。
画像: ポイントランク102位の渋野日向子。来週ハワイ開催の「ロッテ選手権」で"逆転シード"目指す(撮影/岩本芳弘)

ポイントランク102位の渋野日向子。来週ハワイ開催の「ロッテ選手権」で"逆転シード"目指す(撮影/岩本芳弘)

厳密にいうと、米女子ツアーにあるのは国内女子ツアーのポイントランク50位以内に与えられる「シード権」とは異なり、「LPGAプライオリティリスト」という出場優先順位を決めるためのリストです。

これは1から20のカテゴリーに分かれていて、数字が少ないほうが優先順位が高いということになります。試合ごとに定められた出場人数より多くの選手が出場を希望した場合、カテゴリーが上の選手から順に出場が叶うというわけです。

このなかで、「優先度1」に当たるのが、「TOP-80」というカテゴリー。

これは、前シーズンの最終ポイントリストで80位以内(タイを含む)のメンバーで、獲得ポイント順に優先度が決まります。すなわち、前年のポイントランク1位の選手が、翌年の出場優先順位1番手になるわけですね。昨年の場合、それはネリー・コルダでした。

よく、「ポイントランク100位以内は準シード」みたいに言われますが、「Points #81-100」は実は優先度「11」。

1:前シーズンのポイント80位以内
 
2:キャリアトップ20(生涯獲得賞金トップ20)
 
3:メジャー優勝者(過去5シーズン以内)
 
4:優勝者(過去2シーズン以内)
 
5:複数優勝者(過去3シーズン以内)
 
6:同一シーズン3勝(過去4シーズン以内)
 
7:非メンバー優勝
 
8:当シーズントップ80(第1回リシャッフル後のポイントレース上位80位)
 
9:エプソンツアートップ10
 
10:非メンバートップ60(獲得ポイントが60位以内に相当する非メンバー)

……ときて、次がようやく、

11:前シーズンポイント81位から100位

となるのです。「準シード」という言葉からは、「シードの次」というニュアンスがあるのですが、「80位以内」と「81-100位」の間には9つのカテゴリーが横たわります。「ポイントランク80位以内」が非常に大きいベンチマークになることがわかりますよね。

ちなみに、9番目のカテゴリーに「エプソンツアートップ10」というものがありますが、原英莉花選手が今シーズンすでにエプソンツアートップ10位以内を確定させており、来季の米女子ツアー参戦を決めています。

さて、ではその他の日本人選手たちの状況は今どうなっているのでしょうか? 整理してみましょう。

【80位以内】()内はポイントランク

山下美夢有(3)
竹田麗央(4)
西郷真央(5)
岩井明愛(12)
岩井千怜(13)
古江彩佳(22)
勝みなみ(38)
畑岡奈紗(41)
馬場咲希(65)
吉田優利(70)

以上10名が80位圏内(余談ですがこれだけ長いシーズンを戦ってきて岩井ツインズの順位が連続しているのがすごい!)に入っています。

そして、実は81-100位のカテゴリには誰も入っていません。

渋野日向子(102)
笹生優花(127)
西村優菜(141)

の3名が、現在トップ100圏外(笹生優花選手は優先度「3」の過去5年のメジャー優勝者の資格を持っています)。

ランク102位と100位圏内ギリギリのところにいる渋野選手は、先週初日に好発進した試合が雨で競技中止になったのがなんとも痛かった。少ないチャンス(来週ハワイ開催のロッテ選手権にエントリー)をモノにし、少しでも上のランク、ひとつでも上のカテゴリーをつかんでもらいたいところですね。

来季米ツアー昇格の原英莉花

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