欧米のゴルフ界ではまだニューヨークでおこなわれたライダーカップの興奮が冷めていない。蚊帳の外の日本ではもう飽き飽きという方もいるかもしれないが、最後に1つだけ今年の大会のまとめをお届けしたい。

選手の評価は勝ち負けの数だけではない。いかに大会を盛り上げたか? チームを鼓舞することができたかなどが重要なポイントなる。

15-13でカップを死守したヨーロッパチームではチーム戦4連勝で全選手中最高の4ポイントを獲得したトミー・フリートウッドの評価が高い。

つい最近までPGAツアーでなぜか勝てない無冠最強と呼ばれた彼はツアー選手権という最高の舞台で記念すべきアメリカ初勝利を挙げ年間王者に輝いた。

ライダーカップでもその勢いは止まらず、チーム戦で4連敗を喫した世界No.1のスコッティ・シェフラーとは対照的な活躍でフェアプレー精神を体現した選手に贈られる“ニクラス・ジャクリン賞“を受賞した。

画像: ニクラス・ジャクリン賞を受賞したトミー・フリートウッド

ニクラス・ジャクリン賞を受賞したトミー・フリートウッド

では最終日怒涛の巻き返しを見せたアメリカチームでは誰のプレーが光ったのか?

カップ奪還を目指した米チームで期待を裏切ったのがシェフラーなら、地味ながら意外な健闘を見せたのはライダーカップルーキーのキャメロン・ヤングだ。

画像: ライダーカップルーキーながらポイントゲッターとして活躍したキャメロン・ヤング

ライダーカップルーキーながらポイントゲッターとして活躍したキャメロン・ヤング

アメリカチームで3ポイントを獲得したのはザンダー・シャウフェレとヤングだけ。データ的にもストロークゲインドトータル5.06でアメリカ勢トップ。両チーム合わせてもフリートウッドに次ぐ2位だった。

ニューヨーク出身ということもあり今大会には格別な思い入れがあった。地元開催は励みにもなるが期待に応えなければというプレッシャーもある。

そんななか重圧を跳ね返しキーガン・ブラッドリーが選んだキャプテンピックのひとりとしてシングルス初戦で勝利を収め反撃の口火を切った。

ヤングはポイント的にアメリカ勢を引っ張ったが精神的にチームを鼓舞し牽引したのは誰か? それはブライソン・デシャンボーだ。

画像: 闘志溢れるプレーで米チームを鼓舞し続けたブライソン・デシャンボー

闘志溢れるプレーで米チームを鼓舞し続けたブライソン・デシャンボー

1勝(3敗1分)しかできなかったが彼は闘志溢れるプレーでチームにエネルギーを注入した。LIVでも個人戦よりチーム戦に燃えるタイプの彼にとって国の名誉を背負って戦うライダーカップは最高の舞台なのだ。

以前、25年のライダーカップで最有力のキャプテン候補だったがLIVに移籍してチャンスを失ったフィル・ミケルソン(ニューヨーカーに絶大な人気を誇る)は次回のキャプテンを「ゴルフ以外の分野でチームを引っ張っている人材を登用すべき」とXに投稿した。

@PhilMickelson post on X

x.com

「ゴルフは個人競技なのでチームワーク、パートナーシップ、サポート体制、チーム分析といった部分が欠ける傾向がある」と指摘。その点ヨーロッパはキャプテンがこれらのスキルを身につけるためのテンプレート(ひな形)がある、と綴っている。 

ゴルフ以外のチームスポーツのコーチや監督にキャプテンを委ねるというのは突飛な考えだが、アメリカがチームワークに欠けていたことは事実。ライダーカップではひとりの飛び抜けたスーパースターの存在よりチームとしていかに力を発揮するかが勝敗を分ける。

写真提供/PGA of America

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