PGAツアーフォールシーズン第2戦は、ミシシッピ州で開催される「サンダーソンファームズ選手権」。PGAツアーで唯一ミシシッピ州で開催される大会として、地元からの期待は大きく、地元企業「サンダーソンファームズ」がタイトルスポンサーを務め、大会を盛り上げる。来季シード権をかけた選手たちの熱い戦いが、カントリークラブ・オブ・ジャクソンを舞台に繰り広げられる。
「サンダーソンファームズ選手権は、ローカルな大会ではありますが、昔からある大会で地元に密着しています。今大会は上位勢が少ないため、基本的にはシード権争いが中心となります」(以下、杉澤)
舞台となるカントリークラブ・オブ・ジャクソンは、1914年開場のプライベートコース。
「狭くトリッキーなグリーンが特徴的ですが、全体的にはストレートなホールが多く、ビッグスコアが出やすいコースでもあります。しかしその一方で、リスクも潜むコースといえます。1日4アンダーを目標に、積極的にスコアを伸ばしていくことは重要ですが、無理な攻めは禁物です。リスク管理を徹底し、着実にスコアを積み重ねていく戦略が求められます」
そして、このコースには選手を苦しめる難関ホールがいくつか存在する。

杉澤キャディが注目ホールといったカントリークラブ・オブ・ジャクソンのNo.16・479Y・P4(PHOTO/.Getty Images)
まず注目すべきは、シグネチャーホールである16番ホールだ。
「16番ホールは、ティーショットでフェアウェイをクロスに使う必要があり、距離も長いため、セカンドショットは長めのクラブになることが多いです。グリーン左サイドには池が待ち構え、右手前にはバンカーが配置されているため、非常に難易度が高いホールとなっています」
続いて、505ヤード、パー4の18番ホールも攻略が難しい。
「18番ホールは、ストレートなホールですが、セカンドショットはアップヒルになり、両サイド手前にバンカーが配置されています。上空からグリーンに止める必要があるため、正確な距離感とボールコントロールが求められます」
サンダーソンファームズ選手権には、ミシシッピ州出身の選手たちが数多く出場し、大会を盛り上げる。
「特に注目は、アマチュアのマイケル・ラ・サッソ。PGAツアー大学ランキング2位、世界アマチュアランキング8位という実力者だ。地元の大声援を背に、どのようなプレーを見せてくれるのか、期待が高まります。また、デービス・ライリーもミシシッピ州出身であり、ホストプロとして注目を集めております」
「シード権争いが中心となる大会ではあるが、アクシャイ・バティアやミンウー・リーといった実力者も参戦する予定です。ベイカレントクラシックに出場予定の選手もこの大会でどのように活躍するか注目です」
今大会には、金谷拓実プロ、久常涼プロ、大西魁斗プロの3名が出場を予定している。

サンダーソンファームズ選手権に出場する金谷拓実、久常涼、大西魁斗(撮影/岡沢裕行、岩本芳弘、姉崎正)
「金谷選手は100位以内が見えてきており、上り調子ですね。上位選手が少ない今回のような大会で、この勢いのままどこまで順位を上げられるかぜひ注目したいです。久常選手は、フォールシリーズに入って好調をキープしており、直近の大会で13位タイでした。この良い流れに乗って60位以内を目指してほしいです。大西選手には、まずは予選通過を目指し、チャンスを掴みたいところです」
なお、杉澤キャディが注目選手に挙げたアマチュアのマイケル・ラ・サッソは初日、2日目と金谷選手と同組になっている。
サンダーソンファームズ選手権。来季のシード権をかけた戦いは、まだ始まったばかり。フォールシーズンは、これからますます激しさを増していく。
U-NEXT/木村真希