“メイクアメリカグレートアゲイン”超ラグジュアリーSUV爆誕!

いや驚きました!北米の巨人、キャデラックが本気で投入してきた本格バッテリーEVのリリックです。全長ほぼ5m×全幅2mのラージサイズ、欧州車とは絶妙に逞しさが違うSUVフォルムもさることながら、その戦略と仕様が凄い。
今まで大型SUVを積極的に入れてきたキャデラックですがそのほとんどが左ハンドル車。正直、日本のツウなアメ車ファン向けでした。ところがリリックは違います。北米ゼネラルモーターズが本気で世界にEVを普及させたいのとアジア全体への影響を考え、12年ぶりの右ハンドル車として導入。オマケに日本の急速充電規格のチャデモ対応なのです。
デザイン的にはアメリカンラグジュアリーの世界を展開。フロントマスクは極細の縦長LEDヘッドライトと水平基調スワイピングLEDウインカーでモダンデザインに。中央には半透明グリルの「キャデラッククレスト」も備えています。また、リアには1967年式エルドラドをオマージュしたLEDコンビランプ採用。モダンさと懐かしさもあるのです。
インテリアには動物素材不使用の合成皮革や移ろいゆく光演出の「KOMOREBI」(こもれび)を採用。さらに圧巻は湾曲型の9K解像度33インチアドバンスドカラーLEDデジタルメーター。これが実に美しく見やすい。まさに本気でクラシックなキャデラックEVなのです。
一番驚いたのは走り味で、95.7kWhの大容量アルティウムバッテリーと共にピークパワー&トルク522ps&610Nmを発揮。航続距離もWLTPモードで510kmと凄いですが、それ以上に走りの質感、剛性感がトンデモない。
ガッチリ重厚感はドイツプレミアムを超え、フロントとサイドの二重ガラスや車内マイクで雑音を消す次世代型アクティブノイズキャンセレーションもあり、半端ない静粛性。マジメに世界で最も静かで快適なEVのSUVかもしれません。
ラゲッジ容量は793ℓと広大で、キャディバッグ3個収納は楽勝。これでゴルフに誘って嫌がる人はいないはずです。
気になる車両価格は1100万円と一見安くないですが、実は電池ほぼ同量でラージサイズのテスラEVなどと比べると安いくらい。普通のオシャレゴルフドライブでは満足できないアナタへ。新たな選択肢としての新アメリカンラグジュアリーEVが上陸したのです。
撮影車種/キャデラック LYRIQ SPORT
全長×全幅×全高/4995×1985×1640mm
メーカー希望小売価格/1100万円~
撮影/三浦孝明
撮影協力/加茂ゴルフ倶楽部
※週刊ゴルフダイジェスト10月21日号「コージ中」より