
ベテラン門田実キャディ(左)とのコンビで首位から1打差で終えた中村心(右)
12時発表の気象情報では曇り時々雨、気温23.2度、風速0.8m/sと曇り空ではあるものの過ごしやすく風もない絶好のコンディション。7時10分にスタートした髙木優奈選手は2番、7番、8番とバーディを重ねスコアを3つ伸ばして折り返すと10番バーディ、11番ボギー、13番ダブルボギーと崩れそうになりながらも3つのバーディで盛り返し「二桁に伸ばすのが目標だった」と有言実行のトータル10アンダーで終えています。

「日本女子オープン」の2日目を暫定首位で終えた高木優奈
2日目に注目したのは初日にホールインワンを達成し、5アンダーで終えたルーキーの中村心、今年の日本女子アマを制したアマチュアの中澤瑠来、そして渡邉彩香の組。出だしの10番パー4で渡邉選手、中村選手がバーディを奪うと、11番155Yで池越えのパー3ではグリーン右サイドで池を越えたすぐの位置切られたピン筋に飛ばした中澤選手がバーディと伸ばし合いを予感させます。
中村選手は、距離のある13番パー4でティーショットを左、2打目も左に曲げボギーとしますが14番パー5で80Yほどの3打目を20センチに寄せてOKバーディ、打ち上げの16番パー4ではピン手前2mを入れてバーディ、池越えの17番パー3では左の池を越えてすぐの位置に切られたピンを攻め、エッジに落ちて4mを決めてバーディとすると、ティーが前に出された493Yの18番パー5では、ドライバーをフェアウェイに運ぶと、これまた池越えに切られた約200Y先のピンを5Wで果敢にピンを狙い、ギリギリ池を越えるとピンそば50センチにナイスオン。難なくイーグルを奪い前半を31の5アンダーでプレーし10アンダーまでスコアを伸ばします。

池越えの18番パー5の2打目を50センチにつけイーグルを奪った中村心
池をものともせずにピンを狙う積極的な攻め方は、春先の「富士フイルム・スタジオアリス」で中村選手を2位タイに導いたベテラン門田実キャディとのコンビならでは。ラウンド後に話しを聞くと「もう少し右からドローで行くと思ってましたが、ピン筋に飛んだのでちょっと焦りました。でもギリギリ越えてOKに付いたのでラッキーでしたね」と昨日のホールインワンのイーグルに続いて2日連続のイーグル奪取にギャラリーを沸かせました。

ハーフスウィングのルーティンから安定したドライバーでスコアを伸ばした
ピンを攻めるスタイルはグリーンのコンディションやライなど条件付きではありますが、「セーフティに行くゴルフはいつでも覚えられる。若いうちはピンにどうぞ!」と門田キャディはルーキー中村選手の背中を押します。ピンを狙えばこその怖さもありますが、ピンを狙うからこそ技術も上がるというもの。中村選手は大舞台の上位で決勝ラウンドに進みますが、「残り試合少ないですが最後まで優勝することは諦めずに頑張りたい」と、同い歳で優勝を果たしている菅楓華、入谷響、荒木優奈選手らに続くルーキーイヤーでの優勝を目指します。
続いて渡邉彩香選手は10番バーディの後に距離の短い15番ホールでティーショットを3Wで刻むと左サイドのフェアウェイバンカーにつかまります。同じバンカーに中村選手もつかまり、奥のピンに対して距離感を合わせられずに12mほどのロングパットを残していましたが、渡邉選手は奥のピンに3mのチャンスにつけました。16番でもフェアウェイバンカーからピン横3mにつけベテランらしい技術の高さを見せてくれましたので、ラウンド後にフェアウェイバンカーの打ち方を聞いてみました。

技術の高さを見せた渡邉彩香はトータル2アンダーで暫定51位で終えた
「ボールとフェースがどうコンタクトするかはイメージしています。ボールの赤道より少し下にスコアライン2本目から3本目くらいで当てる感じですね。距離感については、足場も不安定なので大きなスウィングはできないので飛ばないことを想定して大きめに打つようにしています」と教えてくれました。
フェアウェイバンカーはダフリたくないあまり、ダウンブローが強くなるとロフトが立ちスコアライン4本目や5本目に当って飛びすぎることがあります。そうならないようにボールとフェースのコンタクトをイメージすることと、少し大きめの距離感で打つというコツを聞き技術の高さの裏にはしっかりとした理屈があることを納得させられました。
前半を2つのバーディでターンしましたが後半3番のパー5でバーディの後に距離のある14番パー4でトリプルボギー、5番でもボギーとスコアを崩し2日目は1オーバー、トータル2アンダー暫定51位につけています。
最後に日本女子アマを制したアマチュアの中澤瑠来選手。ほぼストレートなドローでピンを狙うスタイルで16番、池越えの17番パー3でもピン筋に飛ばして連続バーディとし2つ伸ばして折り返します。後半は打ち下ろしの2番パー3では左のバンカーからピンを大きくオーバーしてボギー、距離のある4番パー4でバーディチャンスから3パットのボギーとスコアを落としますが、7番パー5、距離の短い8番パー4でしっかりとバーディを奪い2日目を2アンダーでまとめ、トータル5アンダー暫定21位につけています。

日本女子アマを制したアマチュアの中澤瑠来はスコアを2つ伸ばして暫定20位タイで決勝ラウンドに進んだ
ショットの調子は今一つといった内容でしたが、崩れずに後半にバーディを奪て盛り返した点は11月に控える最終プロテストでも生かされることでしょう。ラウンド後に練習場でみっちりと打ち込んでいる姿に明日以降のショットの復調に期待します。
午後スタート組では堀琴音選手が順調にスコアを10アンダーまで伸ばし、小林光希選手が6バーディ1ダブルボギーで9アンダー、7アンダーの首位から出た安田彩乃選手はひとつ伸ばして8アンダーとなっています。明日も現地からのレポートをお届けします。
写真/姉崎正