PGAツアーのフェデックスカップフォール第2戦「サンダーソンファーム選手権」でルーキーのスティーブン・フィスクが逆転優勝を飾った。大会前はトップ100のシード入りが厳しいポイントランク135位だったが、一気に70ランクアップの65位へ。残り5試合で60以内に入れば来季のシグネチャーイベント、AT&Tペブルビーチとジェネシス招待の出場権が手に入る。
画像: 初優勝を果たしたスティーブン・フィスク(PHOTO/Getty Images)

初優勝を果たしたスティーブン・フィスク(PHOTO/Getty Images)

最終日にスコアを伸ばせず21位タイに終わった金谷拓実と同期のフィスク。昨シーズン、コーンフェリーツアートップ30の資格でPGAツアーに昇格したのは大西魁斗と同じルートだ。

金谷はポイントランク137位から2ランクしか上がらず135位だったが優勝したフィスクは135位から65位にジャンプアップし、シードを確定させただけでなく、優勝により向こう2シーズンの出場権を確定させた。

彼にとってこの勝利の意味は「働く場所を確保できたこと」。失業と隣り合わせの厳しいゴルフの世界で当たり前のように年間何十億円もの大金を稼ぐ選手はごく一部。ほとんどのプロが自分の将来に不安を抱えながら戦い続けている。

今季は出場23試合中予選落ちが9回と苦労したフィスクだが「我々はみんなここ(PGAツアー)で優勝できるだけの実力はあると感じていました。今日それを実現できて自分も勝てるんだ、と確信できたのがなによりうれしかったです」。

画像: ホールアウト後にフィクスとフィクスの妻・エディスさんと抱擁するジェイ・グリーン(PHOTO/Getty Images)

ホールアウト後にフィクスとフィクスの妻・エディスさんと抱擁するジェイ・グリーン(PHOTO/Getty Images)

フィスクには、心強い助っ人の存在があった。それは、グレイソン・マレーの元キャディ、ジェイ・グリーン氏だ。昨年のソニーオープンでツアー2勝目を挙げながら、程なくして自ら命を絶ったマレー。フィスクとはマレーのほうが年上だが、同じミズノ契約プロとして交流があった。そのマレーのバッグを担いでいたグリーン氏が、今週フィスクのキャディを務めてくれたのだ。

「ツアールーキーにとって経験豊富なキャディが必要だと思っていたので本当に有り難かった」

フィスクはまた今年のはじめ、彼のためにショートコースと練習場を開設し息子がゴルファーになるきっかけをつくってくれた最愛の父を亡くしている。

なにか予感があったのか今週の試合の前にフィスクは天国の父に「このトーナメントで優勝するよ」と話しかけていた。

「今日は父かグレイソンがいくつかパットを入れて後押ししてくれたのだと思います。父がいなくなってとても寂しいけれど今週は冷静に自分のゴルフを貫けたことを誇りに思ってくれたはずです」

息子にこういう日が訪れることを父は予想していたのだろうか?

「そう思ってくれていたと信じたいですね」。フィスクはしみじみと語った。

スティーブン・フィスクの初優勝を振り返る【PGAツアー公式YouTube】

画像1: Steven Fisk earns FIRST win on TOUR | Round 4 highlights | Sanderson Farms | 2025 www.youtube.com

Steven Fisk earns FIRST win on TOUR | Round 4 highlights | Sanderson Farms | 2025

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