
米下部ツアー最終戦を終え、来季の米女子ツアー出場権を獲得した原英莉花
予選会から米女子ツアー出場に挑んだ昨年、原選手は残念ながらエプソンツアーの出場権しか手にすることができませんでした。
過酷な移動と決して高くない賞金額。まばらなギャラリー。国内女子ツアーでつねにスポットライトを浴び続けてきた原選手は、下部ツアーからの“昇格”を目指すという茨の道を選択し、1年間の戦いを経て、その選択が正しかったことを証明しました。
ポイントランクは5位ですが、その中身は圧巻です。まず、18試合に出場して予選落ちはたったの1回(なんと、それは最終戦でした)。1勝を挙げ、出場試合の半数にあたる9試合でトップ10入りを果たしています。
そしてなによりすごいのが総合力を示すストローク・ゲインド・トータル1位というスタッツです。さらに、平均ストロークも堂々のツアー1位の69.91で、平均スコアが60台なのはツアーで原選手ただ一人です。
来季はエプソンツアー最強の選手として米女子ツアーに乗り込んでいく。そう言って過言ではないと思います。
では、原選手は18試合で一体いくら稼いだのでしょうか? その賞金額は14万6582ドル、日本円にして2204万2406円です。もちろん大金ではありますが、これを国内女子ツアーに置き換えてみると、賞金ランク47位相当。
原選手が1年国内で戦い続けていれば、それよりも大きい額を稼げていた可能性は高いでしょう(2024年の原選手の獲得賞金は4000万円超)。しかし、今年1年下部ツアーを戦い抜くことで生まれたハングリー精神、アメリカの気候風土に対応する技術は、来季を戦う上で掛け替えのない財産になるはずです。
米女子ツアーのポイントランクに目をやれば、すでに多くの日本人選手が来季の出場権を手中に収めており、今季一大勢力としてツアーを席巻した日本勢の勢いは来季も間違いなく続きそうです。
そこに“台風の目”として原選手も加わっていくとなれば……2026年の米女子ツアーはますます見逃せない場所になりそうですね!