「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はツアープロにも人気の中尺パターの使いこなしについて教えてもらった。
画像: リッキー・ファウラーもグリップを余らせて握っている(Photo/GettyImages)

リッキー・ファウラーもグリップを余らせて握っている(Photo/GettyImages)

カウンターバランス効果を生かす

みんゴル取材班(以下、み):肩のストロークを覚えるために中尺パターを買いましたが、初ラウンドで42回も打ってしまって大ショック! このまま使い続けていいのかどうか。

宮城:42はちょっと打ち過ぎですが、おそらく中尺パターのよさを生かせていないだけで、かまえかたを工夫すれば上手に使えるようになるでしょう。

み:長く持ったり、スプリットハンドやクロスハンド、アームロックなんかも見様見真似でやってみましたがどれもしっくりきません。

宮城:中尺を使いこなす上で一番大事なポイントが持ち方です。中尺パターだからといってその長さで持たなければいけない決まりはありません。むしろふつうのパターのときより長く持ったり握り方を変えたりするには慣れが必要。いきなりできるものではありません。

み:中尺パターの初心者にはどんな持ち方がおすすめですか?

宮城:パターメーカーに怒られそうな話ですが、中尺パターを使っているプロの多くはふつうのパターと同じようにかまえています。要するにグリップを余らせて自分の好きなところで持っているだけ。シニアプロの増田伸洋も去年中尺パターに替えた途端にいきなり優勝しましたが、パターを替えても持ち方はふつうです。結果も出ているし、それが正解なんです。

み:そういわれればリッキー・ファウラーはじめグリップを余らせているプロが多いですね。中尺をあえて短く持つことにどんなメリットが?

宮城:グリップの余らせた部分の重さをカウンターバランスとして使えることが一番のメリットです。支点つまり手の位置よりも上に重さがあるので、バックスウィングでヘッドを右に動かすとグリップエンドは左に動き、ダウンでヘッドを左に動かせばグリップは右に動いてストロークを助けてくれます。とくにしっかり打ち切れない人にはメリットが大きいです。

み:中尺パターにロンググリップが入っている意味がようやく理解できました。

宮城:中尺パターのメリットはそこに集約されると思います。自分がかまえやすくて、振りやすい長さと持ち方を見つけやすいが中尺です。アマチュアには手の位置が低すぎて肘が脇から離れてしまっている人が多いけれど、肘を脇につけたまま両手を合わせたところにグリップがあるのが正しいポスチャーです。ついでに言えば肩でストロークするというのも間違い。ドライバースウィングを小さくしたものがパターのストロークです。グリップの自由度が高い中尺パターで正しいポスチャーとストロークを身につければ、パターのフィーリングがよくなりますよ。

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