
スタンレーレディスホンダ初日、トップと1打差6アンダーで好スタートを切った吉田鈴。ツアー自己最高の「66」をマークした(撮影/岡沢裕行)
吉田鈴は切り替えの早さが好スコアにつながった。この日はインから出て10、11番で2メートル前後のパーパットを外して連続ボギー。嫌なムードになりかけたが、ラインの読み方を変えて悪い流れも変えた。
「最初は(芝)目があったので、その見え方と立ったときのラインがすごく違って見えて気持ちが悪かったんですけど、パッと構えたラインを信じて打つようにしたらすごい変りました」
12番、13番で連続バーディを奪ってスコアをイーブンパーに戻すと、圧巻は後半2番からの4連続バーディ。2番は10メートル、4番は5メートル、5番は7メートルを沈めた。
「最初に短いパーパットを外したときは不安になったんですけど、その後はうまくパッティングの修正ができて、思い通りに転がってくれました」
今季は初シード獲得が大きな目標だが、前週までのメルセデス・ランキングは55位。50位までに与えられるシードをつかめるかどうかの瀬戸際に立たされている。今季出場可能な残り試合は現時点で今大会を含めて6試合だが、幸いにも成績は右肩上がりだ。4週前のソニー日本女子プロゴルフ選手権(30位)から住友生命レディス東海クラシック(7位)、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン(11位)、日本女子オープン(28位)と4週連続で安定した結果を残している。
「(日本女子プロ会場の)大洗(GC)から一気によくなったっていうのはあります。やっぱり知っているコースで、メジャーだったんですけど、安心感ある中でできたのがすごくよかったんじゃないかと思います」
2日前の練習ラウンドで海外メジャーチャンピオンの渋野日向子と一緒に回った経験も大きい。
「ラフの打ち方がうまいし、構えてから上げるまでの足の使い方がすごくスムーズですね。足から始動しているなっていう感じです。(具体的には)渋野さんは左に乗ってから右に乗るのがすごくうまいなって思います。自分は疲れてくると足から上げないで腕から上がっちゃたりするので」
首位に1打差6位と好スタートを切り、今週はシード確定、さらには初優勝のビッグチャンスだ。
「(今週が)1年間の中でも一番いいんじゃないかというスタートが切れているので、いい組で回れると思うし、他の人のプレーも吸収しながら、いつもと変わらず自分のプレーができたらいいなと思います。やっぱり優勝もしたいけど、トップ10ではなく、トップ5が目標。トップ5は1歩間違えたら優勝ですから」
米ツアーを主戦場にしている姉の吉田優利は通算4勝の実力者。まずは姉を追いつき、そして追い越す。