日本の地で掴んだ、キャリア通算10勝目のメモリアル

優勝後のザンダー・シャウフェレ(撮影/岡沢裕行)
今回の優勝は、シャウフェレにとってPGAツアー通算10勝目となる記念すべき勝利となった。
優勝後のインタビューでシャウフェレは、「この1週間、風が強かったり雨が降ったり、晴れたりと不思議な1週間だったね。タフなコンディションの中で優勝できたのが嬉しいよ」と、厳しい状況下での勝利の喜びを話した。
日本での勝利はシャウフェレにとって特別な意味を持っている。
「9歳のときに初めて日本に来ました。祖父母が日本に住んでいるので会いに来ましたが、そのときに日本の文化について学びました。自分の息子を日本に連れてこられる日を楽しみにしています。シャウフェレファミリーにとっては、日本と深いつながりがあるのは確かです」と日本での優勝を喜んだ。
最終組の重圧と6カ月の息子『ヴィクター』君の影響

重圧に耐えながら2位を突き放し勝利したザンダー・シャウフェレ(撮影/岡沢裕行)
最終日、ツアー初優勝を狙うマックス・グレイサーマンとマイケル・ソービヨンセンとの闘いについて問われると、「正直、緊張しました。最後に優勝してから1年くらいが経っています。自分の奥底にある記憶を取り戻してもう一度戦い抜きました」と、9度の勝利経験があるシャウフェレでも、かなりのプレッシャーを感じていたようだ。しかし、接戦となった終盤も戦い抜き、「日本で勝利できて本当に満足しています」と優勝を噛みしめた。
また、2025年8月に第一子となる『ヴィクター』君が誕生した後の変化についても言及。「マヤ(妻)との間に最初の子どもが生まれて、まだ6週間ちょっとなんですが、息子のためなら何でもできると思えます。間違いなく精神面での変化はありました。これまで感じたことのない感覚で、言葉でうまく説明できないんですけど、とても新鮮で、父親になるということはとてもクールなことだと感じています。帰ってマヤに会うのが楽しみです」と、ゴルフ面だけでなく、精神面での変化が今回の優勝にもつながったのかもしれない。

優勝カップと無邪気な表情を浮かべるザンダー・シャウフェレ(撮影/岡沢裕行)
東京五輪で金メダルを獲得したときは、まだコロナ禍でのお祝いだったシャウフェレ家。今回の優勝祝いについて聞くと、「家族で集まって少しお酒を飲みながらお祝いすると思います。たくさん家族が集まると中にはまだお酒を飲めない子もいるので、みんなで一緒に過ごしてゆっくりしたいです。あまり会える機会が少ないので、家族は横浜でも千葉でも、どんな場所の試合にも時間を作って来てくれます。本当に感謝しています。今回の優勝を家族と分かち合えるのはすごく特別なことなので、早く一緒にお祝いしたいです」と締めくくった。
2026年も『ベイカレント C レクサス』は横浜CCでの開催が予定されているが、1歳6カ月の『ヴィクター』君もディフェンディングチャンピオンとなった父を観に来るかもしれない。
▼ザンダー・シャウフェレ
ツアー10勝の記録
2017:グリーンブライアークラシック
2017:ツアー選手権
2018:HSBCチャンピオンズ
2019:セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ
2020:東京五輪金メダル
2022:チューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオリンズ
2022:トラベラーズ選手権
2022:ジェネシス・スコットランドオープン
2024:全米プロ
2024:全英オープン
2025:ベイカレント C レクサス
※2025年10月12日22時55分、一部加筆修正しました。