地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房がオススメするカスタムクラブを週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

連載78回目は、本試打企画60回目に掲載されている『R-ONE GOLF』の北澤さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。今回はFUSO DREAM『Buchi T22M』がオススメとのこと。

工房店主の北澤さんが特徴を語る

「今回ご紹介するのは、『FUSO DREAM(以下フソードリーム)』のアイアン、『Buchi T22M』です。当工房でも売れ行きが好調で、少々マニアックなので人と被りにくいカスタムクラブです。見た目はマッスルバックなのに、実際はキャビティのような寛容性を持ち合わせています。挿してあるフジクラ『トラヴィル』は昔からゴルフをやっていて、ダイナミックゴールドのような重いシャフトを愛用してきた方が、年齢とともに飛距離が落ちてきた時に、このシャフトにシフトしてくるケースが多いです」と伝統的な小ぶりなヘッドと、球が上がりやすいカーボンシャフトの組み合わせ。ヘッド素材にはS15Cという軟かめの軟鉄が使われており、実際に打つと「球がフェースに長く乗っている」ような、非常に心地よい打感があるという。

画像: フソードリーム『Buchi T22M』、フジクラ『トラヴィル(105X)』の組み合わせ(ヘッドは7番:33度)

フソードリーム『Buchi T22M』、フジクラ『トラヴィル(105X)』の組み合わせ(ヘッドは7番:33度)

「さらに特筆すべきは、研磨師・田淵正敏さんによる研磨です。彼は、石川遼プロがアマチュア時代のウェッジを削っていたことでも知られる、名工です。このアイアンのソールには、ヒールとトウ側が削られたVソールのような研磨が施されています。これにより、ラフや斜めのライからでもヘッドが抜けやすく、ミスを軽減してくれるんです」とのこと。石川遼がアマチュア時代に使っていたクラブを提供していた『ソリッドコンタクツ社』の後身が『フソードリーム』という今回のアイアンメーカーだ。

「この『T22M』のロフト設定は、7番で33度(5番26度、PW45度)と、今どきのストロングロフトではありませんが、このアイアンはロフト以上に飛んでくれます。試打したお客様の中には、ドライバーキャリーで260ヤードを飛ばすアマチュアの方がいますが、彼らのコメントは一様に『ボールは上がるけど、左に巻かないから安心して振れる』という感想が多かったですね。低スピンでありながら、適切な高さが出るため、グリーンでしっかり止められるという性能を持っています」

「昔ながらのアイアンのような美しさを持ちながら、最新の技術で『飛ばなくなってきたけれど、曲げたくない』というゴルファーの悩みを解決してくれる、まさに名品です。ぜひ一度、この『Buchi T22M』を体験していただきたいですね」と北澤さん。取材を進めていくと、北澤さんは自身が所属するゴルフ場のクラブチャンピオンになったとのこと。北澤さん、おめでとうございます!

フソードリーム『Buchi T22M』の印象を堀越プロに聞いた

「今回試打する『Buchi T22M』は、『アールワンゴルフ』の北澤さんがクラブチャンピオンを獲った際に使用していたクラブだそうです。見た目は1枚物のような難しそうな見た目をしていますが、バックフェースの中間部分の肉厚を薄くして上下の重量配分を工夫したことにより操作性と寛容性も備わっているそうです。また構えた時の印象はほぼストレートに見えますが、ほんのわずかにオフセットが入っています。マッスルバックはストレートネックが多いため、セミグースが好きな方でも違和感のない顔に見えます」

「シャフトはフジクラ製『トラヴィル』の105Xが挿してあり、ワッグルをした際の硬さに驚きました。このくらいの硬さですと、ヘッドスピードは46m/s以上は必要になるでしょう。7番アイアンのロフトは33度と今では寝ているクラブですので、飛距離を求めず、方向性と操作性を重視した組み合わせを意識していると思います」

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

実際に試打を開始!
●キャリー/153.6Y
●総飛距離/156.3Y
●スピン量/6797rpm
●着弾角/48度

「いつも通り打つと、やはりシャフトがものすごく硬く、ハードに感じました。ですがキャリー平均153ヤード、ロフトが33度とやや寝ているため落下角は48度、スピン量も6800rpmあり、グリーンに高確率で止まってくれると思います。そして気になっていた飛距離もそこまで落ちず、当初の難しいイメージはあまり感じませんでした。またソール幅はやや広いですが、トウ、ヒール側を大胆に削った特徴的なソールは、さまざまなライでも抜けの良さが感じられそうです」

総評

画像: 「ソールの抜けが良さそうですね」(堀越)

「ソールの抜けが良さそうですね」(堀越)

「今回の『Buchi T22M』×フジクラ『トラヴィル(105 X)』の組み合わせは、マッスルバックの操作性と、高打ち出しのシャフトで操作性がありつつも楽に打てるような組み合わせに感じました。私では105Xはややハードに感じてしまいましたが、ヘッドスピードの速い方にとっては余分なしなりが抑えられ、より安定性が増す組み合わせだと思います。ヘッドはやや上級者向けではありますが、程よく寛容性も持ち合わせているので、北澤さんのように競技に出る方や上昇志向のアスリート系ゴルファーにおすすめしたいですね」

THANKS/クレアゴルフフィールド

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