男子ゴルフの国内ツアーのメジャー第3戦「日本オープンゴルフ選手権」が10月16日から栃木県・日光カンツリー倶楽部(7238ヤード、パー70)で開幕。初日のサスペンデッドを経て、10月17日に第2ラウンドを終了。深いラフと超高速グリーンという難攻不落の日光カンツリー倶楽部で、3位タイの2アンダーで週末に進むキム・ソンヒョンに話を聞いた。

4年前より体もゴルフもひと周り大きくなったイメージだ。

10月16日から日光カンツリー倶楽部で開催されている第90回日本オープンゴルフ選手権で、ナショナルオープンらしい難しいセッティングのなか、初日は2アンダー68、2日目はイーブンパー70でラウンドし3位タイにつけたキム・ソンヒョン(金成玹)。

画像: まだあどけない21年の日本プロゴルフ選手権優勝時のソンヒョン。今まで経験した海外メジャーは全英オープンと全米プロだという

まだあどけない21年の日本プロゴルフ選手権優勝時のソンヒョン。今まで経験した海外メジャーは全英オープンと全米プロだという

彼は2021年、ここ日光CCで行われた日本プロゴルフ選手権で日本ツアー初優勝を飾った選手である。

「さすがJGAの試合、ホールロケーションも難しいし、リーダーボードは見ないようにして、キャディさんと楽しく話をしながら自分のプレーに集中しました」

あのときは日本ツアー参戦2年目の24歳だった。池田勇太、稲森佑貴と最後まで競り合い、13アンダーで勝利をゲット。そこから米Qスクールを通過し、22年は米下部のコーンフェリーツアーへ。ランク12位となり「新人賞」も得て、23年にはPGAツアーに参戦した。フェデックスランク83位でシード入りするも、24年はランク130位でシードを落としたが再び今年、コーンフェリーツアーで戦い、ポイントランク8位で、来シーズンは再びPGAツアーを舞台に戦う。

画像: 英語はちょっぴり苦手。キャディさんによると、95%は英語でコミュニケーションし、5%は日本語とのこと

英語はちょっぴり苦手。キャディさんによると、95%は英語でコミュニケーションし、5%は日本語とのこと

こうして踏ん張って戦ってきた経歴を並べると、ガッツを全面に押し出す選手のように思われるだろうが、いたって穏やか。ニコニコして静かに話す。

「コーンフェリーツアーは、タフなコースもあるし、何人かの選手は飛距離もあるしレベルも高い。(アメリカでは)落ち込んだ時期もあったけど、今シーズンは成績がよかったので、上手く楽しんで頑張ればいいと思えました」

韓国、釜山出身。12歳でゴルフを始め、アマチュア時代は国家代表で活躍した実力者。17年にプロ転向し、19年から日本ツアーに参戦し賞金ランク59位でシード権獲得。20年はコロナ禍で日本ツアーに出場できなかったが、20-21年シーズンは賞金ランク32位とジャンプアップ。

27歳になった今、4年前から成長したことは?

「『パッティング』ですね。課題にして、毎日集中して練習しました」

画像: 向上したというパッティング。「韓国の大会とどちらに出るか悩んで、こちらのほうが大きな大会だったので出ようと決めました」

向上したというパッティング。「韓国の大会とどちらに出るか悩んで、こちらのほうが大きな大会だったので出ようと決めました」

確かにスタッツを見ても、パットの数値が特にいい。PGAツアーの平均パット数は、23年9位、24年15位だ。

キャップからのぞかせる長い髪がちょっぴりワイルド、これも変化の証し? もしくはPGAツアーで流行っている?

「アメリカのヘアサロンはあまり好きではないんです。だからただ伸びているだけ。この試合が終わって韓国に帰ったら切ります」とまたニコニコ。

優勝したときの「いいイメージ」が今も頭に残っている。

「日本も日光も大好きなんです」

もちろん、全英オープン出場にもマスターズ出場にも興味はある。

画像: 同組で回ったのは小平智と桂川有人。どちらもコーンフェリーツアーの厳しさを知る“海外組”。シビアなセッティングで粘りのゴルフを見せた

同組で回ったのは小平智と桂川有人。どちらもコーンフェリーツアーの厳しさを知る“海外組”。シビアなセッティングで粘りのゴルフを見せた

キャリアをステップアップさせるスタート地点となった日光で、再び栄冠をつかめるか。

撮影/姉崎正

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