地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房がオススメするカスタムクラブを週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

連載79回目は、本試打企画19回目に掲載されている『福岡ゴルフ工房』の徳永さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。今回はミステリー『PCV アイアン』がオススメとのこと。

工房店主の徳永さんが特徴を語る

「今回私がオススメするクラブは、寛容性の高いポケットキャビティタイプのミステリー『PCV アイアン』です。ポケットキャビティアイアンは寛容性が高く人気ですが、ネックが曲げにくいモデルが多く、ライ・ロフト調整ができないといった声も多く伺っています。『PCVアイアン』に関しては、軟鉄で製造されているためライ・ロフト調整が可能ですし、軟鉄特有の打感も備えています。やさしさがあるぶん、若干、操作性は少ないですが、直進性が高く風にも強い球が打つことができます。フェース面にはレーザー加工が施されており、雨の日でもボールが滑りにくく、フライヤーや球が右に滑るといったミスを減らしてくれる効果があります。そしてヘッド重量は7番で266g(一般的には7番で270g)とやや軽く、バランスが軽くなるため振り抜きやすさも感じれると思います」

画像: ミステリー『PCVアイアン』×フジクラ『トラヴィル(105S)』の組み合わせ(ヘッドは7番:31度)

ミステリー『PCVアイアン』×フジクラ『トラヴィル(105S)』の組み合わせ(ヘッドは7番:31度)

「シャフトには、いまアイアンのカーボンシャフトで一番売れているフジクラの『トラヴィル』を挿しています。カーボンシャフトはスチールと比べ肉厚で重さを感じやすいため、スチールより20g程度重量を落として提案することが多いですかね。シャフト自体は球を上げて止めるシャフトで、『トラヴィル』にある鷲のマークは、高く上がって、『ストン』って獲物を捕らえるイメージってメーカー担当が言っていました(笑)。このシャフトは若干タフなシャフトですが、ベンタスユーザーや元調子系が好きだけど球が上がらなくなってきた方にオススメできるシャフトですね」と徳永さん。

ミステリー『PCV LASER』の印象を堀越プロに聞いた

「今回試打するミステリー製『PCVアイアン』は、やや大き目のサイズ感で、スイートエリアが大きくなり寛容性、飛距離が期待できるモデルとのことです。バックフェースはポケットキャビティでやや深め、ソール幅も広いため低重心設計という点が見て取れますね。素材は軟鉄を使用しているため、軟鉄らしい打感が堪能できるようです。実際に構えてみると、ややグースが入っていて程よいつかまり感が期待できますね。ポケットキャビティではありますが、バックフェースの厚みが気にならず、アイアンらしいスッキリした見た目に仕上げている点も素晴らしいと思います。今回はフィッティングで使用するヘッドとシャフト3種を用意して頂いたため、一番打ちやすかったフジクラ『トラヴィル(105S)』でデータを見ていきます」

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

実際に試打を開始!

画像: 左から:フジクラ『トラヴィル 105(S)』/USTマミヤ『ATTAS IRON』/『Recoil DART』

左から:フジクラ『トラヴィル 105(S)』/USTマミヤ『ATTAS IRON』/『Recoil DART』

●キャリー/160.3Y
●総飛距離/164.1Y
●スピン量/5350rpm
●着弾角/49.7度
※画像は試打したシャフト

「アイアンの中ではかなり寛容性のあるモデルに感じました。最高到達点は約30ヤードと高く、落下角は平均値で50度前後を記録しました。よって、グリーンで狙ったところにピタリと球を止められる非常に優秀なクラブだと思います。トラヴィル自体が高弾道が打ちやすくなるシャフトではありますが、ここまで高く上がってくれるのはヘッドとシャフトのマッチングが非常に高い証拠だと思います。スピン量は平均して少ないものの、このくらいの落下角があると高さで止めていけますね」と予想を上回る高さに驚く堀越プロ。

「最近の“やさしい”と謳われているアイアンはユーティリティ化というか、フェースの弾きで飛ばすタイプが増えている印象があります。ですがこのアイアンは難らかな打感と高弾道、更に寛容性まで備わっていて、ヘッドスピードが落ちてきた方でも高弾道で飛距離が出しやすくなると思います」

総評

画像: 「ソールの抜けが良さそうですね」(堀越)

「ソールの抜けが良さそうですね」(堀越)

「今回のミステリー『PCV LASER』×フジクラ『トラヴィル 105(S)』の組み合わせは、球が上がらない、飛距離が落ちてきた方にとてもオススメできる組み合わせだと思います。また決して初心者用というイメージはなく、軟らかい打感と構えやすい顔は、上級者も満足できるヘッドだと感じました。また、5番から7番までは『PCV LASER』、8番からはキャビティとブレンドすることも方法としてはアリだと思います。アイアンに悩んでいる人は『PCV LASER』にすることで、縦距離の左右上下の安定感が期待できそうですね」

THANKS/クレアゴルフフィールド

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