男子ゴルフのACNツアー最終戦「ディライトワークスJGTOファイナル」2日目が23日、茨城県・取手国際GC東C(6811ヤード、パー70)で行われ、トップと2打差の5位タイからスタートした中西直人が、6バーディ・1ボギーの「65」とスコアを伸ばし、トータル10アンダーで単独首位に浮上。プロ16年目にして悲願の初優勝へ王手をかけ、明日の最終日に挑む。
画像: 中西直人は悲願の初優勝なるか(大会提供)

中西直人は悲願の初優勝なるか(大会提供)

復活の鍵は「疑わなくていいよ」の一言

中西のこの日の「65」というロースコアを支えたのは、パッティングの劇的な復調だった。

中西は「この3週間くらいずっとパター入ってなかった」という状態だったが、この最終戦で一変した。その理由を、「昨日、堀尾研仁さんが来てくれて、ラインはあっているけど、タッチが合っていないとか、そういう今の良いところの確認をしてくれて。入らないと自分を疑ってしまうと思うんですけど、『疑わなくていいよ』というひと声があって」と明かした。

この師からの精神的な支えと技術的な確認が、中西のパッティングを覚醒させた。ACNツアースタッツで平均パット1位(1.6564)を誇るパット力が、まさに「やりたいことができている感じ」で甦ったのだ。

さらに、ショットについても「かなりいいですね。アイアンのスキルがだいぶ上がっている」と手応えを感じている。横浜CCで開催されたPGAツアー「ベイカレント C レクサス」での経験を通じて得た、「心臓の音が聞こえるくらい緊張した」状況下でのプレーの確認が、冷静な判断力に繋がっているという。

悲願の初優勝で「裏シード」を確定させるか?

中西にとって、この最終戦は単なる優勝争いではない。来季のツアー出場権に直結する裏シード(上位20位+繰り下がり)を確定させるための戦いだ。

現在、裏シードはレギュラーツアーでシードを確定させている古川龍之介がポイントランク6位にいることから21位まで繰り下がる見込み。中西はポイントランキング95位と劣勢だが、最終戦の優勝ポイント(810pts)を獲得すれば、裏シードを懸けたボーダーラインを大きく超えて確定させることができる。

「今年の目標はシード取るというよりも、ACNツアーで1勝することだったので、明日はすごくチャンスだなと思います」

「ここで勝つことで日頃応援してくださっている皆さまに対しての一番の恩返しだと思うので。明日はみんなで作り上げてきたゴルフで、みんなと一緒にまわりたいなと思います」

年間王者争いも混沌――若原を追う古川、田中にもチャンス

今回の最終戦は、年間王者の行方にも影響を与えている。ポイントランクトップの若原亮太をはじめ、2位福住修、3位岡田絃希、4位山本大雅といった上位陣が揃って予選落ちしたため、年間王者の可能性があるのは、若原と以下の9名に絞られた。

2日目終了時のスコア(順位・首位との差)選手名ポイントランク(獲得ポイント)
予選落ち若原亮太1位(1292.305pts)
8アンダー(4位タイ・2打差)古川龍之介6位(765.906pts)
7アンダー(6位タイ・3打差)田中章太郎9位(721.509pts)
3アンダー(37位タイ・7打差)勝亦悠斗5位(814.661pts)
3アンダー(37位タイ・7打差)鈴木海斗10位(654.895pts)
3アンダー(37位タイ・7打差)梶村夕貴15位(578.250pts)
3アンダー(37位タイ・7打差)藤本佳則18位(490.268pts)
2アンダー(54位タイ・8打差)丸尾怜央8位(730.295pts)
2アンダー(54位タイ・8打差)森山友貴12位(633.000pts)
2アンダー(54位タイ・8打差)玉城海伍16位(569.551pts)

とはいえ、ポイント差がある(5位の勝亦で477.644pts差)ため、9名が逆転するには優勝が絶対条件となる。現実的に考えると、チャンスが残されているのは首位と2打差の4位タイにつける古川龍之介、3打差の6位タイにつける田中章太郎あたりだろう。

中西は、初優勝と裏シード確定を賭け、そして年間王者争いにも影響を与える最終日のドラマに挑む。

初日は青山晃大がトップに

今大会実況を担当する萩原菜乃花が注目した出利葉太一郎が2位タイに

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