
首位と1打差の4位タイで初日を終えた中野麟太朗(左)と長﨑大星(右)
中野麟太朗、長﨑大星が4位タイ発進――「まさかキャディが…」のアクシデントを乗り越え
初日、日本勢を牽引したのは、ともに5アンダー「67」をマークした中野麟太朗(早稲田大学4年)と長﨑大星(勇志国際高校1年)の2名。6アンダーで首位に並んだタイ、ベトナム、オーストラリアの3選手を1打差で追う好位置につけた。
中野麟太朗:イーグルでメンタルを楽に

初日は午前トップスタートだった中野麟太朗。2日目は午後トップスタート。暑さ対策を聞かれると「日本と似ているので、問題ありません」と頼もしい答え
中野はスタート直前に予期せぬアクシデントに見舞われた。
「朝キャディさんがずっと来なくてどうしたんだろうと思ったら、スタートホールに昨日と違うキャディさんが来てて」と笑って話し始めた中野。しかし、「僕にとっては大事な試合ですけど、リラックスした雰囲気で始めれた」と、アクシデントを前向きにとらえた。
出だしはなかなかバーディパットを決められずもどかしい展開だったが、4ホール目の13番(パー5)でのイーグルが転機となった。中野は「13のイーグルが自分のメンタルを楽にしてくれました」と語っている。
「今日はすごく楽しくプレーできましたし、この4日間誰よりも楽しんで終えようと思っているので、明日からも全力で頑張りたい」と、2日目以降の意気込みを見せた。
長﨑大星:午後の風を攻略したパッティング

高校1年生ながら日本アマチュアランク1位の実績を持つ長﨑大星。“ビッグスター”が輝きをドバイの地で見せる
ナショナルチームの一員である長﨑大星も、中野と同じく5アンダー「67」をマーク。午後のトップスタートという、風と暑さのあるタフなコンディションで安定したプレーを見せた。
「今日はパッティングがよく入ってくれた日だなと思います」と、グリーン上での出来に手応えを感じている。
4つあるパー5のうち、初日にバーディを奪えたのは最終18番のみ。「ロングホール(パー5)で取り切れなかったのが心残りになっているので、明日はそういうところを取っていけたらなと思います。ロングがチャンスになってくると思うので、そこをしっかりとってあとはパーセーブができれば自然と良いスコアは出てくると思う」と、明日の午前スタートに向け、パー5での確実なバーディ奪取を鍵に挙げた。
他の日本勢も好発進
日本勢は他にも好位置につけた。

スタートほーるでチップインイーグルを奪う活躍を見せる小林匠
大会初出場の小林匠は、10番スタートの朝一でいきなりチップインイーグルを奪う鮮烈な滑り出し。「僕以外誰も見ていなくて、キャディさんからもパター渡されて……」と残念そうに話したが、1イーグル、2バーディ、1ボギーの「69」をマークし10位タイでフィニッシュ。「グリーンは目があって、順目と逆目で全然転がりが違う」とコースの難しさを分析し、「優勝が狙える位置にいる。毎日4アンダーという目標を掲げているので、明日も4アンダーであがれるように頑張りたい」と意気込んだ。

後半は切り替えて1アンダーフィニッシュの隅内雅人
「3度目の正直」で挑む隅内雅人は、厳しいスタート(ロストによるボギー、ダブルボギー)から後半に切り替え、3連続バーディを決めるなど粘りを見せ、1アンダーの17位タイで初日を終えた。「頑張ったらパープレーで回ってこれるかなと思っていたのが、アンダーで回ってこれた」と、明日の巻き返しに繋がるラウンドとなった。
日本人7名中4名がアンダーパーでスタートを切り、優勝圏内にいる。アジア一の称号へ向け、日本勢の活躍に期待がかかる。
【日本勢 初日順位】
4位タイ●5アンダー●中野麟太朗(早稲田大学4年)
4位タイ●5アンダー●長﨑大星(勇志国際高校1年)
10位タイ●3アンダー●小林匠(大阪学院大学3年)
17位タイ●1アンダー●隅内雅人(日本大学3年)
20位タイ●イーブン●片野貫一朗(光英VERITAS高1年)
20位タイ●イーブン●小林翔音(日本大学2年)
67位タイ●4オーバー●松山茉生(福井工大福井2年)
Photograph by AAC.
