女子ゴルフの今季国内ツアー第31戦「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」最終日が26日、兵庫県・マスターズGC(6562ヤード、パー72)で行われ、8打差首位から出た佐久間朱莉が6バーディ、1ボギーの5アンダー67で回り、2位に11打差をつける通算25アンダーで圧勝した。初日から1度も首位を譲らない完全優勝で6月のアース・モンダミンカップ以来の今季4勝目、通算4勝目。年間女王を争うメルセデス・ランキングは首位の座を固め、逃げ切り態勢に入った。阿部未悠が通算14アンダー2位、岩井明愛、菅楓華が通算13アンダーで3位を分けた。
画像: 今季4勝目を挙げた佐久間朱莉(撮影/姉崎正)

今季4勝目を挙げた佐久間朱莉(撮影/姉崎正)

「100点をつけてもいいというゴルフができた」

画像: 優勝を決めてガッツポーズの佐久間(撮影/姉崎正)

優勝を決めてガッツポーズの佐久間(撮影/姉崎正)

1人だけ違うコースを回っているかのようだった。

佐久間が2位に11打差をつける大独走Vを果たした。最終18番で短いウイニングパットを沈めると、左手でキャップのひさしをつまんでおじぎをし、大ギャラリーに感謝の気持ちを表した。それから両手を突き上げて万歳。優勝インタビューでは自分なりの表現で喜びを言葉にした。

「4日間は長かったなっていう思いですけど、100点をつけてもいいというゴルフができました。初めてこれだけの差(8打差)をつけての最終日スタートだったので、正直どんな気持ちでプレーしていいのか難しかったんですけど、自分の今の課題にフォーカスしてプレーできました」

第1ラウンドを6アンダー66で回って首位発進を決め、第2ラウンドもボギーなしの66で回って独走態勢を固めた。なおも攻撃の手を緩めず、第3日は初ボギーこそたたいたものの8アンダー64の大爆発。この日の最終日は2位に8打差の大量リードで迎えた。

その最終日は豊富な「貯金」があっても決して安全運転はしなかった。2番でピンまで残り128ヤードの第2打を9Iで3メートルにつけてバーディを先行させると、2番も第2打をピン左2メートルに乗せて連続バーディ。7番は6メートルのスライスラインを読み切ってスコアを伸ばした。最終日バック9は14番パー3で15ヤードのアプローチを58度でチップインバーディを決めるなど3バーディ、1ボギーでまとめ、2位に背中すら見せずにVゴールを駆け抜けた。

「差がありすぎるというプレッシャーがないと言ったらウソですけど、この差があるからこそ勝ちたい気持ちがありますし、この差を逆転されたくない気持ちはありました」

年間2度の4日間大会完全優勝は史上初の快挙

画像: 最終組で回ったメルセデスランク1位の佐久間と同4位の菅楓華(撮影/姉崎正)

最終組で回ったメルセデスランク1位の佐久間と同4位の菅楓華(撮影/姉崎正)

記録ずくめの優勝だった。2位に11打差をつけたのは2004年日本女子オープンの不動裕理以来で、通算25アンダーでの優勝は2014年に大山志保が記録した通算19アンダーを6打も塗り替える大会最多アンダーパー記録。年間2度の4日間大会完全優勝は史上初の快挙となった。

「レジェンド」ジャンボ尾崎将司が主宰するアカデミーの1期生。「ジャンボさんに教わり始めてから言われたのが、最初と最後の3ホールをしっかりといいスタートをして、いいプレーで締めろと教えていただいた。ジャンボさんの教えを生かせているんじゃないかと思います」と師に感謝した。

今季の目標とする年間女王へ向けて一気に加速する優勝となった。4月のKKT杯バンテリンレディスで初優勝を果たして以降前半戦で3勝をマークしたあとは勢いが止まり、2位・神谷そらから追撃を受ける状況となっていたが、この優勝で再び差を広げることができた。

「年間女王になりたいという気持ちがすごい強いので、しっかりとその課題に向けて、残り5試合で1つでも勝てたらうれしいです」

狙い通りに年間女王の座を射止めれば、複数年シードを獲得し、米ツアー挑戦への環境も整う。最短では2週後に国内で開催される米ツアー「TOTOジャパンクラシック」(11月6~9日、滋賀県・瀬田GC北C)で優勝すれば来季のツアーカードを取得できる。

「Qスクールを受けるつもりはないですし、向こう(米ツアー)を拠点にという思いは今のところないですけど、TOTOでもし勝てたら考えたいと思います」

無限の可能性を秘めた22歳は抜きん出た力を持て余しているかのように飛躍のタイミングを待っている。

佐久間朱莉の今シーズン

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