世界の果て!アルゼンチン・ウシュアイアの最南端コース

北緯70.45度にあるゴルフ場「ハンメルフェストゴルフクラブ」(クラブのHPより抜粋)
丸い地球の北端が北極、南端が南極であることは、だれでも知っている事実だ。では世界で一番北にあるゴルフ場はどこなのか調べてみた。
世界地図を広げると米国のアラスカが目に入った。アラスカ第2の都市フェアバンクスにフェアバンクスGC(北緯64.88度)があり、1946年開場で18ホール、6264ヤード、パー72の規模だった。
さらに北にあるアイスランドを調べてみた。人口2万人が暮らすアークレイリにアイスランドで2番目に古い、1935年開場のアークレイリGC(北緯65.67度)というゴルフ場があった。現在アイスランドには17コースあり、16コースが首都のレイキャビク周辺にあるが、アークレイリGCは島の北部に位置している。ここでは夏になると白夜になることから24時間プレーができる。毎年6月に白夜をプレーするアークレイリ・インターナショナルゴルフ大会が開催され、世界中からゴルファーが押し寄せるという。コースの規模は18ホール、5825メートル、パー70だから約6407ヤードのコースになる。

雪が積もったゴルフ場(※写真はイメージ)
さらに北にゴルフ場はないかと地図とにらめっこをしてノルウェーはどうだろうかと調べた。首都オスロから直線で1330キロも離れた最北部の町、ハンメルフェストに6ホールのゴルフ場(北緯70.45度)があった。開場は2001年だから比較的新しいといえる。ともかく、極寒の地である。コースの距離は短く6ホールを3回プレーして全長3369メートル、パー60という規模だ。6ホールだけならパー20とされているのでその時の全長は単純計算で1123メートルになる。どちらかといえば距離のあるパー3コースといえるだろう。この町にはインドアのゴルフ練習場(北緯70.69度)もあるようだ。極寒地だけに長い冬を過ごすにはインドアゴルフは年間を通じて有効なスポーツといえるだろう。
さて最北端のゴルフ場は把握できた。最南端はどうだろうかと、再び地図を広げて眺めてみた。
オーストラリアよりも南にあるのがニュージーランドの南島。その先にスチュアート島があり、この島が最南端に位置する島の一つとされている。オーバンという町に6ホールのコースがあった。場所はリンガリンガビーチに沿ってあり、海を見ながらプレーができるようだ。コース名はリンガリンガハイツGC(南緯46.91度)。肝心の規模は6ホールを3回プレーして18ホールとし全長は3330ヤード、パー63というもの。6ホールだけなら1110ヤードで、最短は3番の97ヤード、最長は4番の260ヤードだ。料金は1人10ニュージランドドルと書かれていた。トワイライトでは半額の5ドルのようだ。
クラブハウスは無いようで郵便局で料金を払うシステム。貸しクラブもあるようだ。注意書きとしては「ゴルフ場内では長靴を禁止」とある。きっと長靴のままプレーをしたゴルファーがいたのだろう。

南緯54.83度にあるウシュアイアGC(クラブのHPより抜粋)
さらに地図を眺めれば、南米アメリカ大陸の最南端、チリとアルゼンチンの国境沿いでアルゼンチンの南端、フエゴ島の人口7万人の町ウシュアイアに9ホールのゴルフ場を発見できた。町の中心部から西方向のティエラ・デル・フエゴ国立公園に向かう途中にあるウシュアイアGC(南緯54.83度)だ。9ホールを2回プレーして全長は4904ヤード、パーは70。夏の気温15度、最も寒い7月は-2度で、年間平均気温は0度だから日本人からすれば1年中冬という気候になる。この町にあるほぼすべての施設が世界最南端と表記され、文字通り「世界の果て」なのだ。
※緯度は編集部調べ(GoogleMapを活用)
文・写真/吉川丈雄(特別編集委員)
1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースやゴルフの歴史のスペシャリスト。現在、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動中
 
				
				



 
	 
	 
							 
							 
							