現代の6番アイアンは「最も長いロングアイアン」

画像右上『T100(2023)』/左下『T400』、アスリート、飛び系の双極にある2つのクラブは見え方がかなり異なる
癸生川: いま手元に2023年モデルの「T100」、「T400」の6番アイアンがあるけど、「T100」が30度、「T400」が23度で、7度も違う。飛び系のクラブを使っていると、6番で25度前後が多いから、昔でいう5番、ましては4番みたいな顔つき。この『T100』の4番アイアンは24度みたいだね。
小島: かつてミドルアイアンと呼ばれた6番アイアンは、現代のセットでは「最も長さのあるアイアン」となり、そのロフト角はアスリートモデルの5番アイアン、あるいは4番アイアンに相当するストロングロフト化が進んでいます。その結果、多くのゴルファーにとって6番アイアンは「難しい」クラブになっていると思います。
癸生川: 確かに。以前のアイアンに比べて球は上がるけど、見た目からくる苦手意識がある方も多いと思う。

クラブはタイトリスト『T100(2023)』/『T400(2023)』/『GT1』
小島: 今回のテーマは、「何番アイアンからユーティリティに置き換えるべきか」という境界線です。ユーティリティはウッド型、アイアン型を問わずボールを上げやすく、ミスに強い構造なので、アマチュアゴルファーは積極的にユーティリティを入れていっても良いと思います。
UTに求める「落下角のバトン」
小島: ユーティリティへの切り替えで最も重視すべきは、「飛距離のギャップ」ではなく、「落下角度の一貫性」です。自身の持つ最も長いアイアンがグリーンで止まらない(落下角40度未満)なら、その番手から検討する余地があると思います。
 
判断基準としては、ユーティリティを入れる番手は『アイアンで40度の落下角を割った瞬間』です。そこがユーティリティに置き換えるべきロフト帯です。例えば、ドライバー換算でヘッドスピード44m/sのゴルファーであれば、「T250U」の4番(22度)は45度と理想的な落下角が確保できました。アイアン型がだめならウッド型、それでも40度を下回るようであればその距離を打てるフェアウェイウッドを入れることも視野に入れたほうが良いと思います。
癸生川: アマチュアにとって、6番や5番アイアンを力んで打つより、ユーティリティを楽に打つほうが確実にゴルフが簡単になると思う。この「T250U」のように、アイアンの顔つきで高さを出せるクラブは、ウッド型に違和感がある人にとって良いと思うし、「楽に上がってくれる」クラブを選んだほうが絶対に良い。
ユーティリティ選びは「アイアンの限界」から

各モデル6番アイアンに対しての同ロフト帯ユーティリティ(画像上)、同ロフト帯では長さが異なる分距離が出てしまう可能性があるため、シャフトや可変スリーブを使用して縦距離を整えよう
小島: JLPGAツアーの青木瀬令奈選手はアイアンが8番以降しか入っていないことで有名ですが、ドライバーで220ヤード前後のアマチュアゴルファーは非常に参考になるセッティングだと思います。「GT1ユーティリティメタル」に関しては29度まで用意されているので、6番の代わりにユーティリティを入れてみると今まで以上にゴルフが楽に感じれるかもしれません。ただ、ユーティリティはアイアンに比べて長いため、カチャカチャでロフトを寝かせたり、もう1つ寝ているモデルを使用するなど、飛距離の階段をしっかり作ってあげることが重要です。
癸生川: せっかくナイスショットを打っても、グリーンに止まらなければかえって難しいライからのアプローチが待っているし、落下角は非常に重要だと思う。ティーショットで使う際には風に負けない強い球が必要になると思うし、自身の用途、求めている球筋によって5種類から選んで欲しいですね。
小島: ヘッドスピードはあるけど球が上がらないという人は、タイトリストの現行モデルでいうならば「T150」の6番(28度)の代わりに「T250」の6番(27度)や、ハイローンチモデルである「T250 Launch Spec」の5番(27度)をブレンドさせることで、高さと飛距離を両立することもできます。その場合はアイアンの長さやバランスなど、クラフトマンと相談して組み上げることをお勧めします。また、いまお使いのアイアンが飛び系なのか、アスリート系なのかによって、選択するモデルがかなり違ってきますので、まずはご自身のスペックを調べていただくのが良いと思います。
 
				
				


 
	 
	 
							 
							 
							