女子ゴルフの今季国内ツアー第32戦「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」最終日が22日、埼玉県・武蔵丘GC(6690ヤード、パー72)で行われ、首位に3打差で出たプロ3年目の24歳・仲村果乃が7バーディ、1ボギーの6アンダー66で回り、通算14アンダーで逆転の初優勝を果たした。河本結、ウー・チャイェン、阿部未悠が通算12アンダーで2位。渋野日向子は67で回り、通算8アンダー13位で3日間の戦いを終えた。
画像: 「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝を飾った仲村果乃(撮影/姉崎正)

「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝を飾った仲村果乃(撮影/姉崎正)

66の猛チャージで3打差逆転優勝

画像: 同組の入谷響、菅楓華(撮影/姉崎正)

同組の入谷響、菅楓華(撮影/姉崎正)

鮮やかな逆転劇だった。

仲村が66の猛チャージで3打差をひっくり返し、悲願の初優勝を達成した。

最終18番パー5はピンまで85ヤードの第3打を手前1メートルに乗せ、この事実上のウイニングパットを沈めてバーディフィニッシュ。左手でキャップのひさしをつまんで、グリーン後方の傾斜に陣取った大ギャラリーに感謝の気持ちを伝えた。そして優勝インタビューでは真剣な目で試合を振り返り、今後の目標を掲げた。

「すごく緊張した3日間だった。最終日にビッグスコアで上がれたことは、すごく成長しているんじゃないかなって思います。これからも2勝目、3勝目を目指して頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします」

この日は最終組の1組前でスタートし、2番でバーディ先行も3番でボギーをたたくもどかしい出だしだったが、目の前の1打に集中して流れを変えた。5番パー4、9番パー5でバーディを奪って追撃を開始。12番パー3で第1打を4Uで3メートルにつけ、このバーディパットを決めて単独首位に立った。さらに15番パー3では9メートルのロングパットを沈めて逃げ切り態勢を固め、18番も攻める気持ちを表に出し、見事なバーディフィニッシュを決めて栄冠を勝ち取った。

「実はプロになろうと思ってゴルフを始めたわけじゃなくて、楽しくやっていくような気持ちでしたけど、高校くらい全国大会に勝てるようになってプロになりたいなって思って、そこから長かったような短かったような感じで、自分のなかでは今日は出来すぎだなって感覚で優勝できたので、だからホッとしていますね」

通算29勝の「レジェンド」吉川なよ子に師事

画像: メルセデスランキング20位、ドライビングディスタンスは238.22Yで47位(撮影/姉崎正)

メルセデスランキング20位、ドライビングディスタンスは238.22Yで47位(撮影/姉崎正)

京都市出身で11歳からゴルフを始め、高校1年のときから通算29勝の「レジェンド」吉川なよ子に師事して頭角を現した。プロテストは2022年に4度目の挑戦で合格を果たし、プロ3年目のシーズンとなった今季は前週までトップ10入り6回、うち2位が2回など腕を上げ、初優勝に手が届くところまできていた。

師には優勝直後に電話で報告をした。

「自分のなかでは不安な感じでこっちに来たんですけど、優勝できたので、先生のおかげで優勝できましたと。やっぱり先生の言葉が一番自信につながるのですごく大きかったです」

大会前に吉川からは「トップが大きくなりすぎている」というアドバイスをもらい、テークバックを小さくしたことが優勝の原動力になった。

「トップを変えるとどうなるんだろうという(不安な)気持ちはあったけど、妥協した感じでシーズンを終えたくなかったので、スウィングを変えてみました。私はトップが大きいと右のお腹が伸びちゃう感じになってダウンスウィングで安定感がなかったんです」

同世代には米ツアーで活躍している山下美夢有、西郷真央、笹生優花がおり、プロテスト同期合格の中には今季メルセデス・ランキング2位を走る神谷そらがいるが、この優勝で「自分も」の気持ちに火がついた。

「次の目標は師匠の29勝を超すことです。米ツアーにいってみたい気持ちもあるので、来週の試合(TOTOジャパンクラシック)に勝ちたい思いがあります。来週は勝ちたいです」

次戦に勝てば来季の米ツアー出場権が与えられる。初Vで勢いに乗っている今こそビッグチャンス。仲村の挑戦はまだ始まったばかりだ。

仲村果乃のアイウェア

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