今季10人目の初優勝者が誕生しました。仲村果乃選手は2001年生まれの24歳で山下美夢有、西郷真央、笹生優花選手らと同学年。24年はポイントランク71位で終えていましたが今大会の優勝で20位と大躍進のシーズンを過ごしています。その要因は「ドライバーの飛距離アップとショット力が向上したこと」と師事する29勝を挙げたレジェンド吉川なよ子プロとパーオン率の向上に取り組んで来たと言います。

「樋口久子 三菱電機レディス」の最終日に3打差を逆転し初優勝を飾った仲村果乃(写真/姉崎正)
直近の2試合を予選落ちとしていましたが、吉川プロの元でオーバースウィングになりがちなトップの大きさを「ハーフスウィングくらいのイメージ」に改善したことでリズムが取れるようになり、振り切ることでショットの安定感につながったと優勝会見では話していました。
今季優勝を飾った選手のなかで前週に予選落ちしていた選手は仲村選手を初めとして堀琴音、荒木優奈、木村彩子、内田ことこ選手ら8名がいます。予選落ちしたことで頭や体をリフレッシュして改善点に取り組み、翌週に優勝という大きなバウンスバックを果たすことも多いのです。
それではスウィングを見てみましょう。仲村選手はテークバックをやや外側に上げ、切り返してインサイドから下ろしドローボールを操ります。オーバースウィング気味だと話していましたが、可動域の広さとテークバックで右への移動の少ないタイプなのでそう感じるかもしれません。大切なのは緩みがないこと。仲村選手は前週にトップをコンパクトなイメージにしたこと、振り切ることでこれまでの優勝争いの経験を生かし初優勝を手にしました。

テークバックをやや外側に手元を遠くに上げ大きな捻転を作る(写真/岡沢裕行)
切り返しで体幹にしっかりと力が入っていて緩みがないことが見て取れます。そしてドライバーはレベルからアッパー軌道でボールを捉えるのでハンドファーストには当たりませんし、頭の位置や体の中心もボールよりも右側にあり、ビハインド・ザ・ボールの形になっています。それでいて腰が引けていないのはお腹にしっかりと力が入っているから。そうすることでクラブを振ってもバランスを崩さずに振り切れるのです。

体幹にしっかりと力が入り緩みのないスウィングでクラブを振る(写真/岡沢裕行)
師事する吉川なよ子プロはツアー通算29勝のレジェンドですが、「師匠からは自分の記録を越えて欲しい」と言われているんだとか。次戦の「TOTOジャパンクラシック」で2勝目、米女子ツアー挑戦も含めてチャレンジすることでしょう。
				
				