
悪い流れから抜け出すためにはどうすればいい?(写真はイメージ)
今やるべきことにフォーカスする
ボギー列車。主に上級者が使う言葉ですが、ボギーが続いて悪い流れから抜け出せない。そんなときに「あー、ボギー列車に乗っちゃったよ」なんていうふうに使います。
始まりはもちろん一つのボギーから。「ボギーの一つや二つ、出るよね」なんてそれほど気にしなくても、これが4つ、5つと続いてしまうと、「あれ、なんかおかしいな、何が悪いんだろ。ショットはそんなに悪く無いのに」「スタート前に気合い入れて練習し過ぎたかな? それとも昨夜観た動画がよくなかったかな?」などなど、疑心暗鬼の心が生まれ、何とか悪い流れを断ち切ろうとあれこれ考え出してしまいます。
こうなってしまうと、それまでスムーズだったスウィングもギクシャクしてきて、ますますボギー列車から降りられない。そんな負のスパイラル。どうしたら抜け出せるのか、考えていきましょう。
ボギーや悪い結果、流れが続くと、どうしても不安や焦りといったネガティブな感情が心の中で大きくなっていきます。「バーディチャンスからのスリーパットボギー、めげるなあ」「うわあ、5連続ボギーか、もうパーなんて取れる気がしないよ」。これは、過ぎたホールの結果に対する悔恨と、これからのプレーに対する不安が先に立っている状態ですね。
こういったマインドのままでは負のスパイラルから抜け出すのは困難ですよね。ボギー列車から降りるためには、過去や未来の事に心を囚われず、目の前のショット、一打にフォーカスする。よく言われていることかと思いますが、これに尽きると思います。
でもそうは言っても言うは易し。なかなかそう切り替えるのは容易ではありません。こんなとき、私が実践しているのは、まず「プレー以外の所作、行動に意識を持っていくこと」。
どういうことかというと、たとえば、プレーの流れの中で当たり前のように行っている、カートを運転し、歩き、クラブをバッグから取り出すといったことを、きちんと意識して行っていく、ということです。
スコアが悪いとき、頭の中はスコアや、プレーに関する不安で一杯になっていて、歩いていても、歩くという動作に意識がいってない。そんな状態になっています。そんなの当たり前だと思われるかも知れませんが、歩くときは、きちんと歩くことに注意を傾ける。その時自分が行っている所作、動作に意識を持っていくということです。
分かりにくいかも知れませんので、例えをもう一つ。バンカーショットをミスしたとします。その後バンカーならしをしているとき、頭の中はボールの行方やミスした原因など、そうした事に囚われていて、「バンカーをならす」という行為に意識がいってない。そんなふうになりがちではないでしょうか?
このとき、しっかりバンカーならしに集中する。そしてそれが終わってから、次のリカバリーショットに向かっていく。これを習慣づけることが「今やるべきことにフォーカスする」ことにつながっていく。
そんなふうに考えているのです。調子が悪いとき、流れが悪いときはより丁寧に。こうすると余計なことを考える時間も減り、実際にボールを打つときも、「ボールを打つ」という、今やるべきことにフォーカスしやすくなるのです。そして、悪い流れを生んでいる、「悪いリズム」を整えることにもつながります。
ゴルフのラウンドというのは、18ホールで4時間から5時間かかるとしても、実際にボールを打っている時間はごくわずか。余計なことを考える時間が余りにも多いのです。ボギー列車から降りられない。その原因となるネガティブ思考を閉じ込めて、今やるべきことにフォーカスする。少しでも参考にしてもらえたら嬉しいです。
				
				