
米女子ツアーでルーキー年間2勝を記録した山下美夢有(撮影/岡沢裕行)
1番、2番、5番でバーディとスタートダッシュに成功すると、バックナインでもスコアを伸ばしてノーボギーでこの日のベストスコア「65」を叩き出して首位に並ぶと、3人が並んだプレーオフでは1ホール目で6メートルを沈めて今シーズン2勝目を決めました。
大会での成績を見ると、逆転勝利に相応しい異様な数字が並びます。
フェアウェイキープ率は12/14で85.7%。ほとんどのホールでフェアウェイをとらえています。さらにパーオン率は16/18で88.8%という脅威的数字。いかにショットが安定していたかがわかります。
さらにすごいのがパット数で、わずか27パッと。1ホール平均パット数は「1.5」です。
通常、パーオン率は高いほどパット数は増えます。パーオン率が低いほうが、アプローチの回数が増える=寄せワンが増えるため、パット数の数字自体は減りやすいからです。
この日の山下選手がすごいのが、パーオン率が激高いにもかかわらずパット数が極めて少ない点です。一緒に回った選手は「全部入れてくる」と感じていたに違いありません。
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x.comこれは3日目のプレーに対してですが、米女子ツアー公式SNSでは、山下のパットに対して「魔法のような」という表現を使っています。
ただ乗せるだけでなく、いい位置に乗せている。さらにたしかなパットの技術があるからこその“魔法”なのでしょう。
この勝利について、米メディアの「golf.com」は「LPGAルーキーの山下美夢有が8打差を逆転し、メイバンク選手権で優勝」と題した記事を発表。
「2022年のジーノ・ティティクル以来となる『ルーキーシーズンでの2勝』を達成した選手となった」と伝えている。
ティティクルといえば、今シーズンのツアーで唯一複数回優勝(2勝)を挙げている選手。山下選手はこれに続いてシーズン2勝目を挙げた選手となりました。
ルーキーイヤーでの初優勝、メジャー制覇、そして2勝目……まさに快進撃といっていい活躍です。
米女子ツアーは今週日本で開催されるTOTOジャパンクラシックを含めて3試合。最終戦を勝利しての年間女王タイトルも、十分に視野に入ってくるのではないでしょうか。
				
				