2025年11月4日現在。先週は、欧州レジェンズツアーも日本のシニアツアーも試合がありませんでした。そこで今回は、レジェンズツアーで行われている、あるプログラムについてお話ししたいと思います。
画像: 「日本にも導入をおすすめ!」横田真一が語る欧州シニアツアーの“アマチュア参加型プログラム”とは?【ヨコシンの欧州レジェンズツアーレポート「夢に向かって」 #28】

横田真一(よこたしんいち)

72年生まれ。53歳。専修大学ゴルフ部出身。95年にツアーデビューすると、その年にシード権を獲得し、97年の全日空オープンで初優勝を飾る。その後、アプローチイップスに悩むも、10年のキヤノンオープンで13年ぶり2度目の勝利を挙げた。40歳をすぎてから順天堂大学院・医学研究科に入学し、2年間の修士課程を修了するなど、知見を深める努力も怠らない個性派プロゴルファー。現在は、日本と欧州のシニアツアーに参戦しながら、YouTuberとしても活躍中。

横田真一チャンネル

たとえば、日本でアマチュアゴルファーが、プロが戦うトーナメントに出場しようと思ったら、日本アマなどの大きな大会で上位に入る、もしくは、それに準ずる成績を挙げ、その活躍が認められ主催者推薦枠などで出場権を獲得するしかありません。ただ、それが可能なのはひと握りのトップアマだけで、多くの一般ゴルファーにとっては日本アマに出場するだけでも夢のまた夢だと思います。

ところが、レジェンズツアーの場合、Legends Experience(レジェンズエクスペリエンス)というプログラムを利用すれば、アマチュアゴルファーがプロと同じ試合に出場することができます。もちろん、トーナメントに選手として参加できるわけではありませんが、レジェンズツアーで戦うプロたちと同じ組に入って、そこでプレーをするという体験ができるのです。

これはすごいことだと思います。なんと言っても、プロたちはみんな賞金を稼ぐために本気でプレーをしているわけです。そんなプロたちと同じ組で回る、同じロープ内でプレーをする経験など、そうそうできるものではありません。さらに、運がよければイアン・ウーズナム(91年マスターズ優勝)やマイケル・キャンベル(05年全米オープン優勝)などのメジャーチャンピオンと一緒にプレーができるのですから、それはもう驚きの体験プレーなのです。

画像: マイケル・キャンベルと一緒に

マイケル・キャンベルと一緒に

レジェンズエクスペリエンスに参加したプレーヤーは、プロ同様、1番のティーインググランドで名前をコールされてスタートし、ギャラリーが観戦するなか、専属のキャディを伴ってプレーを進めいきます。さらに、ホテルからコースまでは送迎付きですし、練習ラウンドも2ラウンドできて、プロアマもあり、プロと一緒にラウンジで食事をすることもできる。それは、まさに出場選手とほとんど同じ扱いなのです。

ちなみに、参加資格はハンディキャップ10前後。アマチュアゴルファーはダブルボギーピックアップ(ダブルボギーが確定した段階でボールをピックアップする)のステーブルフォード方式(ダブルボギー以上は0点、ボギー1点、パー2点、バーディ3点、イーグル4点で、18ホールのポイントを合計して争う方式)で争うため、ミスが続いてもプロに大きな迷惑をかけることはありません。先々週に行われたイタリアシニアオープンには、ボクの知り合いのアマチュアが参加したのですが、「こんな体験はなかなかできない。来年もまた参加したい」と、大喜びでした。

【動画】イタリアシニアOP初日。2分ほどに横田の知り合いがスタートホールでアナウンスされている【横田真一チャンネル】

画像1: イタリアシニアOP初日前半に密着 まさかのイーグルバーディスタートでリーダーズボードのてっぺんに! このまま順位をキープして後続をぶっちぎれるか!? #ヨーロッパシニア #レジェンズツアー #イタリア www.youtube.com

イタリアシニアOP初日前半に密着 まさかのイーグルバーディスタートでリーダーズボードのてっぺんに! このまま順位をキープして後続をぶっちぎれるか!? #ヨーロッパシニア #レジェンズツアー #イタリア

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レジェンズツアーでは、このレジェンズエクスペリエンスが開催される試合が年に7回ほどあります。参加費は、今回のイタリアシニアオープンの場合、6ラウンド(練習ラウンド2日、プロアマ1日、試合3日)のプレー代、五つ星ホテル5泊の宿泊費と朝食代、プレーヤーズラウンジでの昼食代、空港からホテルとコースへの送迎費込みで約8000ユーロ。日本円にして約142万円と決して気軽な金額ではないのですが、そこに価値を感じられる人であれば悪くない話ではないでしょうか。

レジェンズツアーでは、このレジェンズエクスペリエンスの他にも、プロアマ1ラウンドだけ参加できるプログラムもあります。また、参加資格やルールなどが変更になる可能性もあるので、興味を持たれた方はレジェンズツアーのホームページから問い合わせていただければと思います。

とにかく、こういう取り組みをすることは、アマチュアにとってもトーナメントを運営する側にとってもいいことだとボクは思います。「試しに、日本のシニアツアーでも何試合か取り入れてみたらいいのに」。そう感じたイタリアシニアオープンの経験でした。

写真/本人提供

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