名匠・井上誠一の世界にのめり込み、長年追い続ける写真家、山田兼道氏の写真展が開催される。
画像: 写真家・山田兼道氏

写真家・山田兼道氏

本人も覚えていないというほどの回数の写真展に作品を発表し続ける同氏の、今回の会場は高崎髙島屋。期日は10月29日(水)~11月11日(火)。タイトルは「ゴルフコース大地の意匠」。宣伝文句に〈ゴルフは文化、チャールズ・ヒュー・アリソンと井上誠一が設計した日本を代表するゴルフコースの中に『あるがまま』のゴルフの本質と自然主義の日本文化の原風景を重ねてレンズを向けた山田兼道氏の写真展〉とある。

今回は広くマスコミに取り上げられ、小社からも発売された書籍『いつか、ここで。井上誠一のゴルフコース』の中から厳選された15作品をリリース。氏が井上誠一にハマるきっかけになったのが、約30年前の当時会員になっていた鶴舞CC(井上の代表的作品の一つ)での出来事だった。

「ゴルフに夢中になっていた頃で、毎週のように鶴舞を訪れ、その日は最終組で回っていたら雨が降りだしましてね。小屋で雨宿りしていたらいつしか雨がやみ、夕陽の逆光に浮かび上がったコースの女体とも表現されるアンジュレーションが現出して、それがまたえもいわれぬ美しさで、これだ! と心で叫んでいましたね」(同氏)

それから氏の井上ワールド行脚が始まった。1年半で井上が設計した全38コースを踏破した。撮影にはなぜか天気が味方したという。

「現川崎国際生田緑地Gでは桜をテーマに撮ろうと。晴れた日じゃつまらないと思っていたら霧が出てきましてね。幻想的ショットが撮れました。鹿児島のいぶすきGCでは薩摩富士と呼ばれる開聞岳をバックに位置を決めようとしたら右から鱗雲がせり出してきて、まるで葛飾北斎のような構図を撮ることができました。上から井上誠一が見てくれているんだなと感じたものでした」(同氏)

氏は1942年、群馬県出身。新宿紀伊國屋画廊、日本橋三越本店などで個展を開き、今回は故郷に錦を飾った? ゴルフ場はアートだと改めて認識させてくれた作品の数々。井上ファンならずとも一見の価値あり。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年11月18日号「バック9」より

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