
TOTOジャパンクラシック」で3年半ぶりの米ツアー通算7勝目を挙げた畑岡奈紗(撮影/大澤進二)
ルーキー荒木優奈との雨中の一騎打ちを制した

アイアンのティーショットで水しぶきが上がった(撮影/大澤進二)
雨中の一騎打ちを制したのは畑岡だった。コースコンディションが悪いため、18番パー5を130ヤードのパー3に設定して行われたプレーオフ1ホール目。荒木が第1打をグリーン奥に外したのを見届けると、ピン右10メートルと距離は残ったものの、グリーンをキャッチした。ファーストパットは2メートルオーバーしたが、荒木がパーパットを外したあと、返しのスライスラインを読み切った。ウイニングパットがカップに落ちると、両手を突き上げて万歳。その目には涙が光った。
この日は早朝から雨が降り続き、グリーンに水がたまる状態になった午前10時57分に中断となった。その後も天候の回復が見込めないため午後0時58分に中止が決定した。中断時点では最終組の畑岡は通算16アンダー、荒木は1打差2位だった。
今大会は2018年に勝って以来の2勝目となったが、米ツアーでは2022年4月の「DIOインプラントLAオープン」以来約3年半ぶり。勝てない時間が長かっただけに、その表情には安堵の色が浮かんだ。
「3年半ぶりに優勝できてすごくホッとしています。本当に長く感じた3年半だったんですけど、サポートしてくれるたくさんの方のおかげで優勝できたと思います。(プレーオフを)待っている間は本当に長く感じたけど、自分にできることに集中してやろうと思いました。(最後は)ちょっと弱かったと思ったんですけど、入ってくれてホッとしました」
「4月に3パットしてから自信を持って打てなくなった」

プレッシャーを克服して、ウイニングパットを決めた(撮影/大澤進二)
今季に限っては不調の原因はパッティングにあった。
「今年4月の試合で短いパットを3パットしてから自信を持って打てなくなった」
改善への対策はあれこれ考えずタッチだけに集中することだった。
「この1年はスピードだけを意識することに集中してきた。それができたかと思います」
課題を克服して国内開催の米ツアーで2018年に続く優勝を果たし、早くも次なる目標を視界に入れた。
「プロ転向時に掲げた目標がメジャー優勝。来年以降で達成したいし、開幕戦に出られるのがうれしい」
長かったトンネルを抜け出し、明るい笑顔で未来を見据えた。
