
プロテストに合格した藤本愛菜(左)と千田萌花を合格に導いた笑顔の辻村明志コーチ(左上)。ジャンボ尾崎の元キャディ・佐野木計至さんが応援にかけつけた(撮影/有原裕晶)
千田は6度目の挑戦で見事合格を果たした。辻村が指導を始めたのは高校2年生のとき。長野県の塩尻から千葉県船橋の練習場にやってきてからだ。
「最初に会ったとき『ゴルフはどれくらい、成績はどれくらいなの?』と聞いたら、日本ジュニアも日本女子アマも出たことがないと言った。ボクはそんな選手をプロにしたことがなかった。でも今年一番強くなった。年々上手くなっていたんだけど、今年一気に壁を越えてくれました」
藤本は2年前から指導している。23年の日本女子アマ2位になり、昨年のプロテストはナショナルチームメンバーとして2次免除で最終からの挑戦。一度挫折を経験し、今回2度目の挑戦で合格を勝ち取った。
「愛菜は通る位置(レベル)でやってたし、自分は落ちるわけにはいかないって、そういうのはあったと思います。(昨年は)なめていたつもりはないんでしょうけど、甘くみたぶん、足元をすくわれたような感じでした。しかし、この1年間、愛菜に限っては相当努力をしたんで。この1年落ちたことをプラスに変えるため、エネルギーにするため、もう必死こいてやるしかないっていう、きついトレーニングと練習をボクは課しました。全部彼女はついて来ました。最後はやっぱりこれだけやったんだっていう自信があったと思います」
2人はプロゴルファーになったが、辻村はプロテスト合格を通過点と話す。
「ボクは常々、プロになった後にプロとして活躍することを念頭において指導しています。プロテスト合格という目標は一番上に置いていない。プロになったらどういうプロになるか。これからです」
合格した2人の次の目標は、プロとして戦うための土俵に立つこと。来年レギュラーツアーの前半戦出場資格獲得を目指して、QTに挑む。辻村の指導で2人がどんなプロゴルファーに成長するか、楽しみだ。
※2025年11月10日18時一部修正しました


