今年の「Sansan KBCオーガスタ」で優勝争いを演じて一躍注目を集めた石塚祥利選手をピックアップ。今年は出場資格が限られており、少ないチャンスを活かすしかない状況の中で、ある意味で飛躍の年になったと言えます。現状は来シーズンも出場機会はなかなか厳しい状況ですが、推薦など限られた試合で結果を残せるだけのポテンシャルを秘めた選手であることは間違いありません。
画像: 石塚祥利-Shori Ishizuka。芥屋ゴルフ倶楽部所属で福岡県出身の22歳

石塚祥利-Shori Ishizuka。芥屋ゴルフ倶楽部所属で福岡県出身の22歳

GD ゴルフを始めたのは何歳ですか?

石塚 3歳の時です。

GD かなり早いですね。

石塚 始めたというか両親のゴルフの練習について行った感じです。小学校の頃はゴルフと並行して野球もやっていたんですが、小学校6年の時にゴルフ1本に絞りました。

GD それはご自身で決めたこと?

石塚 いえ、親から野球スウィングになってしまうからと言われて、ゴルフ1本に絞ったほうがいいんじゃないかということになって。

GD 中学は地元の中学校へ?

石塚 はい。沖学園に行きました。3人兄弟なんですけど、7つ上の2番目の兄がゴルフをやっていて、それで沖学園に行っていたので、環境とかもわかってて。それで中学、高校と沖学園に進みました。

GD プロになろうと決めた時期は覚えていますか?

石塚 はっきりとは覚えていないですが、中学でゴルフをやっている頃はプロになろうと思いながらやっていたと思います。

GD 3人兄弟とおっしゃっていましたが3人共、ゴルフを?

石塚 いえ、一番上は僕より9つ上なんですがずっと野球でした。2番目の兄は沖学園から福岡第一に行ってそこから日大でゴルフをやっていました。

GD 2番目のお兄さんはプロを目指さなかったんですね?

石塚 そうですね。自分の性格を考えると上にはいけないでと言って諦めたようです。

GD お兄さんからそういう話を聞いてご自身はプロを目指した理由は?

石塚 そうですね。厳しい世界ということはわかっていましたが、自分にはゴルフしかないと思っていたし、勉強もできなかったので。(笑)

GD そう言えば、石塚さんのお兄さんは福岡でも人気のジェラート店(ココジェラート)をされているとか?

石塚 はい、人気みたいです(笑)。一番上の兄が始めて、「Sansan KBCオーガスタ」もですが、毎年福岡でやるゴルフの試合には結構出店させてもらっています。

GD 高校卒業と同時にプロ転向という感じですか?

石塚 はい。高校3年生の時にプロテストに受かって、そのままQTを受けました。

イップスでパターだけ左打ちに変更

GD 石塚選手といえば今年のKBCオーガスタでも注目されましたが、右打ちのパットだけ左打ちなんですね?

石塚 はい。イップスになってしまって。それで試行錯誤した結果、左打ちになりました。

GD イップスになったのは?

石塚 中学2年生の頃には少し怪しかったんです。それから治りかけたこともあったんですけど、やっぱりダメで。もうこれはゴルフにならないってなったのが高校3年の時でした。試合で1mのパットを3ホール連続で3パットして。いよいよこれはダメだと思いました。それでその試合の後半の9ホールで左打ちをしてみたんです。

GD え? 試合中に?

石塚 当時、ピン型のパターを使っていたんですが、それで左打ちをしたらそのほうが入ったし、手が動いてくれたので、それなら左打ちで行こうと決めました。

GD 高校3年ってことはプロテストに受かった年ですよね?

石塚 はい。プロテストの2カ月前に左打ちにしました。それくらい思い切ったことをやらないと受からないどころか、ゴルフにならないと思ったので。

画像: パッティングは左打ち

パッティングは左打ち

GD すごい決断ですし、それで受かったのもすごい!

石塚 違和感というか右打ちのようなフィーリングは出せないですが、それでも左打ちにしてパッティングのことがわかった部分もあるんです。だからこのオフは右打ちに戻すトライもしてみようかと考えています。

GD 今年はまさかのファーストQT敗退となってしまいましたが、今年の台湾ツアーで活躍した結果、来年も台湾ツアーには出られるんですよね?

石塚 自分もまさかでした。何やっているんだって。台湾ツアーには来年も出ようと思っています。日本のツアーに出場する機会は限られると思いますがいただいた推薦などで頑張りたいと思います。

GD 日本はもちろんですが、海外での活躍も期待しています!

石塚 ありがとうございます。頑張ります。

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中学生でパターイップスになり、高校3年からパッティングを左打ちに。かなりの苦悩を味わってきたに違いないが、まだまだ22歳。今年のQTは本人以上に周囲が驚くファースト敗退となってしまったが、そんな苦い経験も必ずプラス要素になるはず。それを糧にできるかどうかは本人次第だが、才能溢れる選手なだけに、必ず花を咲かせてくれるだろう。

TEXT/出島正登

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