ファンが決めて欲しいと願うときに決める。それがトッププロの真骨頂。先にホールアウトしていたフィッツパトリックに2打差をつけられ最終18番パー5を迎えたマキロイ。
勝つためにはイーグルしかない状況で残り234ヤードのセカンドショットを5番アイアンでピン手前に乗せると、4.5メートルをきっちり沈めて歓喜のガッツポーズ。
やるべきことを決めた千両役者にギャラリーのボルテージも最高潮だ。
そのシーンをアテストルームのモニターで見ていたフィッツパトリックは「いつものローリーのやり方だ」と呟いた。
これがトッププロの真骨頂! マキロイの18番の全3打をプレイバック【DPワールドツアー公式YouTube】
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youtu.beしかし奇跡は続かなかった。サドンデス1ホール目のティーショットをクリークに打ち込んだマキロイはパーをセーブできずフィッツパトリックが2年ぶりツアー通算10勝目を挙げた。
今シーズン序盤まったく良いところがなかったフィッツパトリックだが夏場から盛り返し全米プロと全英オープンでトップ10入り。無事ライダーカップにも出場しチームの勝利に貢献した。
「今年のはじめ苦戦したけれど最後にこんなご褒美が。最高の気分です」とこれ以上ない笑顔。
敗れたマキロイも「マット(フィッツパトリック)の優勝は僕もうれしい。シーズン終盤に素晴らしいプレーでライダーカップ代表の座を掴みその勢いを維持したんだから素晴らしい」と称えた。
2位に終わったが4年連続7度目の年間王者(オーダー・オブ・メリットと呼ばれた賞金王時代も含む)のタイトルはしっかり掴んだ。

4年連続でDPワールドツアー年間王者となったローリー・マキロイ。通算7回の年間王者は、セベ・バレステロスを抜きツアー史上2位の記録となる(写真/Getty Images)
「去年セベの記録(6回)に並んだときも最高の気分だったけれど、今年彼(の記録)を超えるなんて夢にも思っていなかった。本当にうれしい」というと思わず涙ぐんだマキロイ。
スタート前にセベの元妻・カルメンさんと話し彼女から「彼(セベ)があなたのことをどれだけ誇りに思うことでしょう」といってもらった、その言葉が胸に刺さった。
ヨーロッパのゴルフを盛り上げたセベが天国で見守ってくれていると思うと涙腺が緩んだ。
キャリアグランドスラムを達成したマキロイにとって次なる目標はツアー史上最多8回頂点に立っているコリン・モンゴメリーの記録。
「もちろん(8回目)達成したいよ。数日前モンティー(モンゴメリー)にも会ったんです。手が届くところまで来ているから彼を抜きたい。あと何年かはいいプレーができると思うので、彼に追いき追い越したい!」
また注目の中島啓太は最終戦を16位タイで終え有資格者を除くポイントランク上位10名の8番目で来季のPGAツアー昇格を決めた。アマチュア最強と謳われた彼がいよいよ夢舞台に立つ。
PGAツアー入りを確信し、何度もガッツポーズをする中島啓太【DPワールドツアー公式X】
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