米女子ツアー最終戦「CMEグループ ツアー選手権」は、フロリダ州ティブロンGC(6660ヤード・パー72)で現地時間22日に第3ラウンドが終了。世界ランキング1位のジーノ・ティティクルが通算22アンダーで首位を快走。2位には世界ランク2位のネリー・コルダが通算16アンダーで続き、6打差で追う展開となった。無風という異例のコンディションでスコアが乱舞するムービングサタデー、対照的なゴルフ哲学を持つ二人の女王が語ったのは、最終日に向けた覚悟と、彼女たちの勝負のスタイルだった。なお、8人出場している日本人選手の最上位は、岩井明愛、竹田麗央、畑岡奈紗が11アンダーで9位タイ。ポイントランク2位の山下美夢有は6アンダーの36位タイで最終日を迎える。
画像: 22アンダーで首位に立つジーノ・ティティクル(左、撮影/姉崎正)と6打差の2位で追いかえるネリー・コルダ(右、撮影/岩本芳弘)

22アンダーで首位に立つジーノ・ティティクル(左、撮影/姉崎正)と6打差の2位で追いかえるネリー・コルダ(右、撮影/岩本芳弘)

ジーノ・ティティクルの天真爛漫な攻め

世界一の座を守り、最終戦のタイトルに王手をかけたジーノ・ティティクル。この日もスコアを伸ばし続けながら、彼女の頭の中にあるのは「シンプルな戦略」と「笑い」だけだ。

「昨日も今日も、私が打ち込んだものはすべて素晴らしかった」と語るジーノ。好調の要因を問われると、「希望通り、フェアウェイ、グリーン、パットを決めることだけ」と、あまりにもシンプルな戦略を明かした。

バーディを量産する瞬間も、「何をやってるか気づいていない」という彼女。「ただ同じことをやろうとしていました。ピンの近くに寄せられるベストな場所を見つけて、パットを決める。シンプルな戦略です」。

プレッシャーのかかる最終組のプレー中も、「リーダーボードは少し見ました。ただみんなが終わったかを知りたかっただけなんです」と、まるで他人事。この天真爛漫さが、プレッシャーを寄せ付けない最大の武器となっている。

「CMEグループ ツアー選手権」の週にジーノは毎日「Sushi Thai Too」というレストランで食事をしている。故郷タイの料理を食べることで、「自宅にいるように感じる」という。

「タイの辛いパパイヤサラダを食べたら、泣いちゃうくらい。でも明日の夜食べます」と、最終日の勝利後に「ご褒美」を食べることを楽しみにしている。この、ゴルフを心から楽しむ姿勢こそが、彼女をトップの座に留めている原動力だ。

【スロー動画】ジーノ・ティティクルのアイアン後方スウィング【LPGA公式X】

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ジーノ・ティティクルの3日目ハイライト【LPGA公式YouTube】

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ネリー・コルダのプロセスを崩さない「慎重さ」

ジーノを6打差で追う立場となったネリー・コルダは、対照的に冷静沈着だ。

ネリーは、終盤にスコアを伸ばす際も、精神的なシフトはないという。「その瞬間、自分が正確に何をしているかに集中するだけ」と、プロセス重視の姿勢を貫く。

この日のようにロースコアの展開でも、「風やピン位置、ティーショットの出来によって、積極的になれるかが決まる」と、常に状況を読み、無理はしない。

特に、最終日最終盤の戦い方について、彼女は警鐘を鳴らす。

「頑張ろうとしすぎると、ミスが少し忍び込み始めると感じている。自分のプロセスと自分自身に集中しなければならない」

彼女にとって、優勝争いは「無理をしてはいけない」ゲームだ。「もし少し先走りすぎたり、押しすぎたりすると、そのミスが忍び込み始め、有益にはならない」と、長年の経験から導き出された慎重なゴルフ哲学を語った。

【動画】ネリー・コルダの“美しい”バンカーショット【LPGA公式X】

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ネリー・コルダの3日目のハイライト【LPGA公式YouTube】

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最終日へ:世界トップ2の決戦

世界ランキング1位と2位という最高のライバル関係にある二人。ネリーは「本当に素晴らしいゴルフをした。ティーからグリーンまで本当に素晴らしかった。パットにも力を発揮した」と自身のプレーに満足しながらも、「まだいくつか残したパットもあった」と、完璧ではない一日を振り返った。

6打差という大きな差を追うネリーに対し、ジーノは「明日18ホール。うまく片付けて、やってくるオフシーズンを楽しみたい」と、余裕のコメント。

天真爛漫なジーノが逃げ切るのか。それとも、冷静沈着なネリーがミスを誘い、大逆転を演じるのか。世界最高峰の二人の女王による最終日の戦いは現地時間の11時40分(日本時間の24日1時40分)にスタートする。

※2025年11月23日23時29分、一部加筆修正しました。

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