女子ツアー黄金世代の実力派にして天然キャラクター・小祝さくら。そのゴルフ回路を覗く異色エッセイ。第77話、トーナメント優勝副賞と車の運転。

小祝さくらは、〝物欲〟というものをあまり持っていない。ブランドものの洋服やアクセサリーが欲しいと思ったことはないし、ここ最近、自分のために買った大きな買い物は、練習やスーパーなどに行くときに使う電動自転車だ。堅実なのである。

試合で優勝者がいただける副賞にも、そんなに興味はない。「車は家族に渡したりしてきましたし、グランドピアノは実は狙って取ることができましたけど、置く場所がなくて寄付させていただきました。ショベルカーはおじいちゃんが使っていますね。お米は、周りにお願いされて狙っていたんですけど取れなかったなあ……あと嬉しかったのは、ANAのビジネスクラスのチケット。あれは合宿に行くときに使えたのでよかったですね」。あくまで実用的な考え方の小祝さくらである。だから、興味が湧く副賞は〝使える〟もの。

「それこそ今年棄権してしまった試合では、アルファードを狙っていて、あれを取るために優勝を目指す! という感じでやっていたのに、手首を痛めるという……」。初日はトップ、2日目も優勝戦線に残っていた。「あの車は、試合で移動するときにけっこう使える、一番実用的な車だなと思って。荷物も積めるし、乗り心地もいいんですよ」

画像: こいわい・さくら/1998年北海道生まれ。ニトリ所属。8歳でゴルフを始め、17年のプロテストで合格。19年初優勝、ツアー通算12勝。「12月のイベントには参加します。チェックしてください!」(Ph/Hiroyuki Okazawa/2025年Vポイント×SMBCレディス練習日にて)

こいわい・さくら/1998年北海道生まれ。ニトリ所属。8歳でゴルフを始め、17年のプロテストで合格。19年初優勝、ツアー通算12勝。「12月のイベントには参加します。チェックしてください!」(Ph/Hiroyuki Okazawa/2025年Vポイント×SMBCレディス練習日にて)

とはいえ、小祝さくらが最近、自分で運転をすることはあまりない。そもそも運転があまり好きではないのだという。「最近は運転、していませんね。最初の頃はけっこう、運転したい欲が強くて頑張ってやっていたんです。高速などで、マネジャーさんに横に乗ってもらって運転の練習をしたりもしていたんですけれど……」

小祝さくらが普通自動車の運転免許を取得したのは高校3年生のとき。「オートマ限定の免許です。実は、仮免の筆記試験で3回くらい落ちたんですよ。インターネットを使って受けるものです。引っかけ問題みたいな、よくわからないものも多くて(笑)。実技は、縦列駐車だけは苦手だったんですけど、何とかなりました」

車の運転にはその人の人となりが表れる。小祝さくらの運転は〝やさしい〟のだという。「めっちゃ安全運転です。安全すぎて、後ろの車からクラクションを鳴らされる感じ。イケイケの人から見たら、トロかったり、タラタラしていると思われるみたいです」。そういう安全運転をする小祝さくらが、皆、好きなのです。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年12月9日号〝ゴルフときどきタン塩〟より

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