「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回は一番人気のドライバー「G440MAX」が合う人、合わない人について考察してもらった。
画像: ピンの「G440MAX」はどんな人に合う?

ピンの「G440MAX」はどんな人に合う?

G440MAXはヘッド慣性モーメントが極大

みんゴル取材班(以下、み):いま一番売れているドライバーはピンの「G440MAX」です。少し以前の話になりますが、月刊ゴルフダイジェストの企画「D1グランプリ2025」決勝では、試打者3人のうち若手女子プロはけっこう飛ばしていましたが、横田英治プロと男性シングルさんは思ったほど距離が出ず1回戦で敗退してしまいました。重心深度が48ミリもあってヘッド慣性モーメントも極大の「G440MAX」ですがやはり合う人と合わない人がいるのでしょうか。

宮城:歴代のピンのドライバーでプロや上級者の評価が一番高かったのは「G400シリーズ」です。「G410シリーズ」もまあまあでしたが、「G425シリーズ」から急にやさしくなって、「G430シリーズ」「G440シリーズ」と上級者で合わないという人が増えてきました。その中でも投影面積が大きく後ろに長いMAXはヒップダウンするといわれてきました。

み:やさしくなりすぎたということですか? 確かにテスターのシングルさんもお尻が落ちて当たらないと仰っていました。球が上がりすぎて前に飛ばなかったようです。

宮城:その方のスウィングを見ていないので何ともいえませんが、ハーフウェイダウンでシャフトを立てる打ち方と深重心モデルとは相性がよくありません。ヒップダウンの度合いが余計に大きくなるからです。インパクトロフトが増えるので打ち出し角が高くなってスピン量も増えます。フェースが開くので打点もヒール下に当たりやすくなります。とくにパーシモン育ちでダウンかレベルくらいのイメージで振っているシニアプロやベテランシングルさんだとクラブがアッパーに動こうとするので振りにくさを感じるでしょう。

み:逆に女子プロが上手に飛ばせるのはなぜですか?

宮城:ハーフウェイダウンでクラブを寝かせてアッパーのイメージで打つ人とは相性がいいと思います。

み:ちょっと前ならドライバーはピンを買っておけば間違いないと言われていたのですが。

宮城:その神話は崩れてきたかもしれません。ただ、もしMAXが上手く打てなければLSTやSFTを試して欲しいし、ロフトを立てて打ち出し角とスピンを抑える手もあります。

み:「D1グランプリ2025」では同じく投影面積の大きいタイトリスト「GT1」がベスト4に入りましたし、男子プロやアスリートアマも使っています。「G440MAX」と「GT1」では何が違うのでしょう?

宮城:ヘッド重量ですね。「G440MAX」は高慣性モーメントを実現するためにヘッドが201グラムもありますが「GT1」は194グラムしかありません。どちらもシリーズの中で一番やさしいモデルですが、ターゲットを定めて上手く作っていると思います。

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