トランプ大統領の孫娘、カイ・トランプ
アマチュア世界ランク450位以下の高3年生をシーズン末のビッグイベントに招待することに異論を唱える人も多かった。
会場には警護のSPが配置され、現在タイガー・ウッズと交際中の母、ヴァネッサ・トランプさんが付きっきり。予選ラウンド同組だった渋野日向子は「なんで私?」と驚いたが「一生に一度あるかないか」の経験を受け入れた。
初日13オーバー83を叩いたカイは「予想以上に緊張しましたが素晴らしいショットもたくさん打てました。いいショットが悪い場所に行ってしまった。初めてのツアーで素晴らしい時間を過ごせました」と笑顔を見せた。2日目にはバーディを4つ取って渋野と同じ75。結果は予選落ちだったが話題性と集客力は絶大だった。
LPGAとスポンサーにとってトランプ大統領の孫娘の招待はツアーの注目を高めるのが狙い。SNSのフォロワー800万人を誇るカイ本人の魅力とトランプ大統領のネームバリューを利用し「若いファンを中心に新たなファン層を開拓するのに役立った」とLPGAのリッキ・ラスキー最高責任者は語る。
女子ゴルフのレジェンド、アニカ・ソレンスタムはトランプ大統領の支持者でペリカンCCのオーナーとともにカイの推薦を熱烈に支持。賞金は上がっているとはいえ女子プロの知名度はまだ低く、そこを改善する必要がある。
「普段からSPに囲まれる生活を彼女がどう耐えているのか? 18歳には過酷だし批判を耳にすることも多いでしょう。だからここで自由な空気を楽しませてあげたかった。少女にはそういう時間が必要です」とアニカは母親のような発言をした。
カイがプロになるかどうかは別にして、ゴルフ界最高のインフルエンサーとして若い世代の興味を引いたならデビュー戦は成功なのだろう。
写真：Getty Images
※週刊ゴルフダイジェスト2025年12月9日号「バック9」より
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カイ・トランプのデビュー戦
