砂川公佑、ノーボギーの「ゾーン」突入とシードへの執念

賞金ランク68位とシード権まであと一歩の位置にいる砂川公佑
賞金ランク68位と、シード争いの渦中にいる砂川公佑。この日、自身のツアーにおける最少ストローク記録に並ぶ「64」というボギーフリーの完璧なゴルフを展開した。
首位発進の要因について、砂川は「パッティングが本当に良くて、気持ち良く打てた」と語る。
| カシオ1R目 | 25年平均 | |
| 平均パット | 1.5333(5位) | 1.7684(45位T) |
| パーキープ率 | 100%(1位) | 88.365%(5位) |
| フェアウェイキープ率 | 78.571%(16位) | 57.937%(39位) |
今シーズンはこれまでツアー平均パットが45位タイと苦戦してきた砂川だが、初日はそのパット力が覚醒。平均パット数5位、そしてパーキープ率100%という驚異的な粘りを見せた。彼は「きょうは気持ちいいぐらいの感じで、ストロークもラインもよかったので、あまり外れる気がしなかったですね」と、まさにゾーンに入った感覚を吐露。難易度の高いパー3の8番で5メートルのバーディパットを沈めるなど、要所でパットが冴え渡った。
「今年残りの試合が少ないので、もう優勝するしかないという気持ちでやってます」と、退路を断った強い覚悟を語る砂川。「このまま突っ走りたいですね」と、2日目以降も攻めの姿勢を崩さない。
鈴木晃祐、世代を牽引するショット精度と粘り

シードはほぼ確定しているが、本来の実力からすれば今年はイマイチだった鈴木晃祐。今週の爆発に期待!
1打差の2位につけた鈴木晃祐は、この日も8バーディ、1ボギーの「65」をマーク。ツアーでも屈指の黄金世代を代表する存在だ。
● 同世代のライバル:
蟬川泰果(東北福祉大)、中島啓太(日体大)、平田憲聖(大院大)、古川龍之介(日大)ら
鈴木のゴルフは、パットと共にショット精度が劇的に改善したことで、一気に開花した。
| カシオ1R目 | 25年平均 | |
| パーオン率 | 94.444%(2位) | 67.088%(52位) |
| 平均パット | 1.5882(9位) | 1.8126(97位) |
| フェアウェイキープ率 | 71.429%(26位) | 63.680%(8位) |
25年平均で52位と苦戦していたパーオン率が、初日は94.444%という驚異的な精度でグリーンを捉え続けた。また、平均では97位と低迷していた平均パット数も、初日で9位につけ、ショットとパットの「両輪」が機能した。
今季国内メジャーの「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」で6位タイ、ホストプロとして挑んだ「ロピアフジサンケイクラシック」で7位タイと、トップ10入りはあるものの、ツアールーキーだった23年に3000万円を稼ぎ賞金ランク29位、2年目も2300万円余りで同ランク38位という鈴木本来の実力からすると、今年はイマイチ調子に乗れなかった一年と言わざるを得ない。
初シードを目指す砂川と、世代の代表としてタイトルを狙う鈴木。来週の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は賞金ランク上位の選手しか出場できない“エリートフィールド”だけに、実質最終戦の今週に若き「Wコウスケ」が、熱狂の週末を演出する。
撮影/姉崎正

