
99位で来季シードを獲得した金谷拓実
そんななか、優勝争い以上に注目を集めたのが来季のシード権トップ100を巡る攻防だった。「本当に長い一日だった。今はただただ感動している」と声を詰まらせたバリメキ。何よりフィンランド勢初のPGAツアー制覇が誇らしかった。
今年からシード権が125位までから100位までに減り、最終戦にドラマが期待されたが、実際には劇的な変動はなし。99位で最終戦に挑んだ金谷拓実は予選落ちに終わり、週末は戦況を見守るしかなかったが無事にシード(99位)を確保した。
しかし、ルーキーのリッキー・カスティヨとツアー1勝のリー・ホッジスが上位に入っていれば圏外に押し出されるところだった。5連続を含む9バーディを奪い62をマークした時点でプロジェクト(推定順位)95位だったカスティヨは、最終ホールでマックス・マクグリービーが10メートルのバーディパットを決めて単独2位に食い込んだことで3位となり102位で終戦。4位タイに終わったホッジスも101位に上がるのが精いっぱいで、金谷への影響はなかった。
51位タイだったカール・ビリプスが100位。彼はタイガー・ウッズのアパレルブランド『サンデーレッド』を着用する注目株だ。金谷と同じく予選落ちした久常涼は、レギュラーシーズン終了時点の84位からフォールシリーズで順位を落としたものの、前週と変わらず95位で2年連続シードを獲得。
また公傷制度により来季の出場機会が残っている星野陸也は173位、大西魁斗は199位だった。ツアー6勝のマックス・ホーマ(105位)、3勝のトム・キム(108位)を含む101位から110位までは条件付きカテゴリーに分類され、来季は20試合程度の出場が見込まれる。
26年はDPワールドツアーから中島啓太が参戦し、コーンフェリーツアーから平田憲聖が昇格。金谷と久常がシードを死守し、若きライバルたちが優勝を目指して躍動する年になりそうだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年12月16日号「バック9」より
