ビギナーを脱したゴルファーの前に立ちはだかるのがスコア100の壁……いわゆる“100切り”を達成するために大切なポイントとは? 今回は「レッスンを受ける側が持っておきたい、上手くなるための心構え」をテーマに、東京都港区のゴルフスクール「広尾ゴルフインパクト」のインストラクター・後藤悠斗プロに解説してもらおう。

理想と現実が乖離している

画像: 東京都港区のゴルフスクール「広尾ゴルフインパクト」のインストラクター・後藤悠斗プロ

東京都港区のゴルフスクール「広尾ゴルフインパクト」のインストラクター・後藤悠斗プロ

より効率的に上達する手段の一つとして「ゴルフレッスンを受ける」選択肢が、世のゴルファーにはある。しかしただレッスン代を払ってスタジオに足を運ぶだけで自然と上達するわけではない。

レッスンをする側の「教える技量」はもちろん、レッスンを受ける側の「教わる姿勢や意識」も同時に重要で「受ける側もしっかりとやることをやってもらわないと、正直僕らが何を言ったって仕方ない、そう思ってしまうんです」と後藤は言う。

画像: レッスンを受ける側が意識したいポイントとは?(写真はイメージ)

レッスンを受ける側が意識したいポイントとは?(写真はイメージ)

中には「意識が高過ぎる」ことが成長の妨げになってしまうパターンもあるという。

「意識が高いというか、“勘違い”とでも言えば良いでしょうか。例えば、100切りを目指すゴルファーが『ティーショットの半分はフェアウェイに行きたい』『18ホールの半分はパーオンしたい』……いやいや、ちょっと待ってください。そもそもツアープロのスタッツがどれぐらいか知ってますか? という話なんです」(後藤、以下同)

PGAツアーのスタッツ(2025年12月1日時点)を参照すると、フェアウェイキープ率(Driving Accuracy Percentage)の1位は金谷拓実で74.07%。ツアー平均は60.64%で、70%超えは上位7選手のみ。パーオン率(Greens in Regulation Percentage)1位はマイケル・ソービヨンセンの73.56%。ツアー平均は66.56%で、70%超えは上位27選手のみとなっている。

どちらのスタッツにしても、プロでさえ70%超えはわずかで、60%台が平均値。「プロでも約3分の1、1ラウンドで6ホールはフェアウェイを外すし、パーオンできないんですよ。なのに、アマチュアがコンスタントにフェアウェイキープ率50%、パーオン率50%を達成できるわけないじゃないですか。それは勘違いと言わざるを得ません」と後藤は続ける。

「フェアウェイキープ率やパーオン率はあくまで一例です。『バンカーから寄らないんですよね』……それは寄りません、まず1発で出ることが重要ですよ、みたいな感じでいくらでも言えます。要は理想と現実が乖離し過ぎているんです。『100切りを目指すベストスコア100台のゴルファーが、いきなり80台を目指すレベルの取り組みをする』みたいなことを平然とやっちゃっているパターンって実際にあります。

で、非常に難しいことなのに目標にしているから、達成できなかった時にちゃんとテンションが下がるんですよ、そういう方って。でもそれで落ち込むのってもったいなくないですか? プロを目指している方なら良いですが」

自分を過信している

理想と現実が乖離している……これは「設定した目標がそこまで難しいものだと認識していないかった」場合もあれば「自分を過信している」場合もあるだろう。

自分を過信するゴルファーは成長を妨げる思考に陥りやすいという。目標を高くし過ぎるだけでなく「課題を意識してやってみたけれど、意図した結果にならなかった時とか、まさにそうですね」と後藤。

「例えば『ボールをつかまえるためにフェースローテーションしよう』と意識して、手を返して打ったのに『またスライスした』『つかまらなかった』みたいなことって、課題に取り組んでいる最中はあることですよね。そうなった時に別の理由を探すんです。『なら他のところがおかしいはずだ』って考える方はめちゃくちゃ多いです」

事実、別のところに理由がある可能性もあるだろう。けれども「経験上、半分以上はそもそもフェースローテーション、手を返す動きがちゃんとできていないんです」と後藤。

「我々からしたら『いやローテーションができていないです』『手が返ってないです』『足りてないです。もっとやってください』って言いたいことが多々ありますね。言われたことに対して取り組む時間をちゃんと設けるのって、自分に合う・合わないを判断してもらうためにもすごく大事です。

これはレッスンを受けていないゴルファーが、雑誌の記事で見たレッスンをやってみる時も同様ですね。『結果が出なかった、じゃあダメな内容だ』とすぐ切り上げないことです。そもそも自分がちゃんとできていない場合も大いにありますから」

適切な目標設定をすること。そして、練習に対して100%で取り組む時間を設けること。言葉にすれば当たり前に思うかもしれないが、忘れてはいけないことだ。ぜひ今一度意識してみてほしい。

協力/広尾ゴルフインパクト

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