ヒーローワールドチャレンジ開幕を前に、世界No.1のスコッティ・シェフラーが前日記者会見に登場。25年のPGAツアーを席巻し、複数メジャー制覇を果たした絶対的強者が、約2カ月ぶりとなる実戦となる今大会でテーラーメイドの新しいドライバー「Qi4D」をテスト投入するという大きな決断を下した。その新兵器の感触と、開発チームとの緻密なやり取りを詳細に語った。
画像: スコッティ・シェフラーがテーラーメイドの次期モデル「Qi4D」ドライバーを実戦投入する予定(PHOTO/Getty Images)

スコッティ・シェフラーがテーラーメイドの次期モデル「Qi4D」ドライバーを実戦投入する予定(PHOTO/Getty Images)

新ドライバー投入の真意:競技でしか得られない「本物のデータ」

シェフラーは、ライダーカップから約2カ月、試合に出場していないが、このタイミングでの新ドライバーを試す理由について、明確な哲学を述べた。

「それが、私にとって今週が本当に価値があると感じる理由の多くを占めていると思います。競技の中で物事をテストするのは、自分の現状を確認する良い方法だと思います」

ホームコースでのシミュレーションとは異なり、4日間にわたるストロークプレーの緊張感こそが、クラブの真価を問う最高の舞台だという。

彼が新ドライバーに求めたのは、単なる飛距離ではない。その性能を信じ切るための「視覚」と「安定性」だった。

「私にとって今のところ、このドライバーは見た目が非常にフィットしており、それが私にとって常に最初の段階です」。トッププロにとって、アドレス時の「顔」がゴルファーのフィーリングに与える影響は絶大だ。

その上で、データが完璧であることを強調する。

「これまでのところ、パフォーマンスは良好で、スピンの数値が非常に安定しており、弾道も安定しています。競技で使うのが楽しみです」

「Qi35」に移行する際、苦労があったというシェフラー。その経験を踏まえ、今回は開発チームとの連携を強化した。

「エイドリアン(テーラーメイドのツアー・シニア・マネージャーのエイドリアン・リートフェルト)とテーラーメイドのチーム全体が、ドライバーが機能するために私の目が何を見る必要があるかについて、非常に良いアイデアを持っていたと感じています」

画像1: 上がスコッティ・シェフラーの「Qi4D」で下がローリー・マキロイの「Qi4D」フェースの色、そしてデザインが違うことがわかる(PHOTO/Getty Images)

上がスコッティ・シェフラーの「Qi4D」で下がローリー・マキロイの「Qi4D」フェースの色、そしてデザインが違うことがわかる(PHOTO/Getty Images)

シェフラーは、具体的にフェースの形状など、自身の感性に合うオプションを共同で検討。「今回のテストは、前回よりもずっとシンプルでした」と、信頼関係に基づいた開発プロセスが功を奏したことを示唆した。

「まるでタイガーのようだ」と称される一貫性の源流

記者会見では、シェフラーのプレーを「まるでタイガーのようだ」と称賛する声に対し、本人がどう考えているかが問われた。

彼は、レジェンドへの尊敬を込めて語る。

「タイガーがフィールドにいたとき、彼は常に自分自身に勝つチャンスを与えられる選手だったと思います。彼のキャリアを通して、彼が世界最高の選手ではない時期はほとんどありませんでした。それが私が彼に感銘を受けたことの一つだと思います」

さらに、シェフラーはタイガーの「常に努力し続けていた」姿勢を最大の尊敬の対象とする。

「彼は現状に決して満足したり、甘んじたりせず、常に努力し続けていました。私は彼についてその点を尊敬しています」

メジャー2冠の誇りとオフシーズンの規律

今シーズン6勝(うちメジャー2冠)という偉業を達成したシェフラー。彼は、この一貫したプレーを非常に誇りに思っている。

「全米プロと全英オープン、クラレットジャグというトロフィーを所有できるのは、とてもクールです。クラレットジャグとワナメーカーからお酒を飲みました。楽しかったです」と、友人たちとの祝宴を語った。

このヒーローワールドチャレンジ後は、来年に向けて「少し休む必要」があるとし、新ドライバーテストはこのタイミングしかない。今大会のコースで過去にオーバーパーを一度も打ったことがないシェフラー。相性のいいコースでのテストで、新ドライバーの性能を確かめ、26年シーズンも不動の世界No.1を目指すことは、タイガーの努力に魅かれた彼らしさがあふれている。

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