男子ゴルフの今季国内ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」が5日、東京都・東京よみうりCC(7002ヤード、パー70)で2日目を終え、初日2位タイの小木曽喬がスコアを伸ばし、単独首位に浮上。そのほか、初優勝を狙う細野勇策、吉田泰基ら若手の奮闘が目立つ展開となった。

小木曽喬はダブルボギー後の立て直しで首位へ浮上

画像: 初日細野と並ぶ2位タイ、2日目を2アンダーと伸ばしトップに浮上した小木曽喬(撮影/姉崎正)

初日細野と並ぶ2位タイ、2日目を2アンダーと伸ばしトップに浮上した小木曽喬(撮影/姉崎正)

6番、7番を連続バーディと前半は良い感触だったものの、8番、10番でスコアを崩し、13番ではダブルボギーでスコアを落とす展開に。しかし、その後の立て直しに成功し、「ダブルボギーが来てからの展開がすごく良かった」と2日目を振り返った。崩れそうになった時にフェアウェイに打てたことが大きく、「(ダブルボギーとした13番の)次のティーショットがフェアウェイに行ってくれたから、バーディにつながってくれたと思うし、そこからのゴルフは、すごくいいゴルフでした」と話した。

メンタル面では、周りの選手もスコアを伸ばせていなかったため、「みんな苦しんでいるのも見ていたので冷静になれた」と話し、昨日の後半ショットが悪くなった部分を修正できたこと、大きなミスなくプレーできたことが好調の要因だという。

今季は未勝利ながら「トップ5が4回くらいある」と実績を重ね、「自分のレベルが上がっていると感じます」と自信を見せた 。この大会での優勝への気持ちは強く 、「3年シード欲しいな」と語り、海外に挑戦する浅地洋佑や金子駆大といった仲間たちを見て、いまは「海外志向はまったくない」というが、複数年シード権を手にすることで自身も変わるかもしれないと語った。

宋永漢はパットに苦しむも粘りのゴルフで単独2位に

画像: 初日トップ、2日目を2位で終えている宋永漢(撮影/姉崎正)

初日トップ、2日目を2位で終えている宋永漢(撮影/姉崎正)

初日首位タイだった宋永漢(ソン・ヨンハン)は、この日「71」とスコアを落としたものの、トータル6アンダーの2位で上位をキープした。

「昨日パターがよく入ってくれましたが、今日はまったく入らなくて」と、3〜4メートルのパットに苦しんだラウンド。9番ではティーショットを曲げ、障害物があって打てずにボギーとなるなど運にも恵まれなかったが、「よく我慢したなと思います」と粘りのゴルフを評価した。

このコースはホールが難しいか簡単かに関わらず「いつでもボギーが出るコース」だと指摘し、バーディパットを打つ時も気を付けなければならないという 。8番で1メートルのパーパットを外してから流れが悪くなったものの、「ゴルフってそういうものじゃないですか」と冷静に受け止めていた。明日以降、「もう一日、昨日みたいな日が出てくれば、なんとなくチャンスがあるかなと思います」と、上位進出に期待を寄せた。

細野勇策、ピンチを耐えるも単独3位に

画像: 初日2位、2日目を3位で終えた細野勇策(撮影/姉崎正)

初日2位、2日目を3位で終えた細野勇策(撮影/姉崎正)

細野勇策はイーブンパーの「70」で伸ばせなかったが、トータル5アンダーで上位に踏みとどまった。

今日のプレーは「結構ピンチも多かったですけど、昨日に比べるとチャンスも少なかったです」とし、「今日1日耐えられたのは良かった」と我慢のゴルフを評価 。2日間続けている良い点として、ロングパットで距離感のミスや3パットがないことを挙げ、パッティングの安定がスコアを支えている様子をうかがわせた。

ショットについても「安定していて、外してはいけないところには行っていないです」と自信を見せ 、この2日間「いい攻め方ができている」という。しかし、最終18番(パー3)のティショットについては「今日はあんまり思ったようにはいかなかったですけど」と述べ 、自信満々で打てているわけではないという。どうやってボギーを打たないようにするか考えていたと語るなど 、決して油断することなく、難関ホールに挑む冷静な姿勢が目立った。いい位置で3日目を迎えることに対し、「すごく楽しみです」と語った。

吉田泰基、ラッキーとキャディの助言でアンダーパー死守

画像: 「アンダーパーっぽくないアンダーパー」という吉田泰基。手を放す場面も見られた(撮影/姉崎正)

「アンダーパーっぽくないアンダーパー」という吉田泰基。手を放す場面も見られた(撮影/姉崎正)

2日目を「68」で回り、トータル4アンダーで単独4位に順位を上げた吉田泰基。

4番でダブルボギーを叩き、暗雲立ち込めたが、最終的には2日連続で2アンダー。スコアを盛り返したというより「ラッキーなことが多かったです」と2日目を振り返った。特に10番では「左奥から直角に曲がるラインが入ってくれました」と、7〜8メートルのパットがまさかのバーディに。14番では120ヤードから52度で打ったショットが「寄ったかなと思ったやつが入ってくれました」とイーグルを奪取。ダボやボギーを打った直後にすぐ取り返せたことが大きかったという。

しかし、内容的には「5オーバーくらい打っていてもおかしくない内容」だと自己評価し、「アンダーパーっぽくないアンダーパーです」と分析。ダボは2つとも不運が重なり、4番ではティーショットが右ラフ、そこからバンカーに入れ、アプローチがオーバーして寄らず入らず。9番では右にブッシュし、隣のホールへ出し、カラーから3パットもあった。

画像: ベテラン大溝キャディ(左)の助言で難関18番でバーディを奪った吉田泰基(撮影/姉崎正)

ベテラン大溝キャディ(左)の助言で難関18番でバーディを奪った吉田泰基(撮影/姉崎正)

この大会での初優勝を目指しており 、最終18番のティーショットでは、キャディに寒さや風の影響を考慮され、「7Wでいけ」と助言されたことを明かした 。自身はオーバーしそうだと感じたが、キャディを信じて打った結果バーディにつながり、「さすがだなって」とナイスジャッジがあったことを強調。ちなみにこの18番のバーディは、練習ラウンド含めて「人生初」だという。また、12月21日に兵庫で挙式を控えており、奥さんが準備のほとんどをしてくれているというおめでたいプライべートも明かしてくれた。

首位を走る小木曽、粘る宋永漢、約四半世紀ぶりのレフティ優勝を狙う細野勇策、そして運と技術で食らいつく吉田泰基。未勝利の若手たちが経験豊富な猛者たちを抑え込むか、それともビッグタイトルへのプレッシャーが牙をむくか。熱戦が予想されるムービングサタデーに注目だ。

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