
左から宋永漢、吉田泰基、小木曽喬
吉田泰基の「66」を支えた完璧なパット

同組の岩田寛(左)と話しながらグリーンに向かう吉田泰基(右)
首位タイに浮上した吉田泰基は、ムービングサタデーのこの日、「66」をマーク。その好調の要因は、パッティングの完璧な噛み合わせにある。
| 指標 | 3日間のトータル | 順位 |
| 平均パット | 1.5588 | 第1位 |
吉田は、大会を通して平均パット数で堂々の全体1位を記録している。3日目も「パターが本当によく入ってくれた。ショートパットが1回も外れなかったので、それが大きいですね」と語る通り、グリーン上で無類の強さを見せた。
また、この日は6番(519ヤード)、17番(535ヤード)という2つのパー5で確実にバーディを奪取。ショットとパットが噛み合い、ボギーを最小限に抑えながらスコアを伸ばした。
「昨日、一昨日とショットが良かったので、きょうはそのパターが噛み合ってくれた。自分のゴルフができれば絶対にトップで戦えるという自信は持っていた」と、最終日最終組での初優勝へ向け、強い意気込みを語った。
小木曽喬は耐え抜いた末に迎える最終戦優勝

今大会の平均パットは「1.6667」で吉田に次ぎ2位の小木曽喬
初日から首位争いを続ける小木曽喬は、3日目を「69」で回り、首位タイの座を死守した。
小木曽の強みは、崩れない堅実さだ。「今日はショットが全然まとまらず、本当に我慢の一日でした」と振り返る通り、苦しい展開だったが、ボギーを最小限に抑える粘りを見せた。特に17番(パー5)でのバーディ、続く18番(パー3)での3メートルのパーセーブは、彼の真骨頂だった。
「ゴルフはミスショットがつきもの。ミスショットはしょうがないと切り替えられた」と、精神的なタフネスを武器に、最終日の戦いに挑む。
宋永漢は「赤いジャケット」への執念をみせる

宋は初日のロケットスタート後も好調をキープ。赤いジャケットを韓国に持ち帰れるか
初日「63」で飛び出した宋永漢は、3日目を「68」でまとめ、トータル8アンダーで首位タイに浮上した。
宋は「今日もあまり悪いところはなかったし、ちょっと惜しいパットはあったんですけど、ナイスプレーだった」と、自身のプレーを評価。「このコースはパットが大事なので、パットで取れば流れも良くなる」と、グリーン上での勝負を強調する。
最終日に向けては、「赤いジャケット欲しいですね。着て韓国に帰りたいです(笑)」と、優勝者だけが袖を通せるジャケットへの執念を語った。勝負のポイントを「パットだけじゃなくショットも。全体的にバランスよくできればチャンスはあるかな。でも最後はやっぱりパットです」と分析。
吉田、小木曽、宋永漢。全く異なるプレースタイルの3人が並び立つ最終日。伝統の日本タイトルを懸けた、1打を争う激しいドラマの幕が上がる。
撮影/姉崎正
