
伊藤は最終プロテストトップ合格しただけでなく、先週開催されたQTファイナルで16位に入り、来年のレギュラーツアー前半戦の出場権を獲得した逸材(撮影/岡沢裕行)
来季前半戦の出場権をかけたQTファイナルを16位で来年の開幕戦からレギュラーツアーに出場できる伊藤。プロテストでは2日目73で唯一のオーバーバーだったものの、初日、3日目、最終日ともに60台。QTは4日間すべてアンダーパー。新人プロのなかでも安定感抜群だ。
その秘密は安定したショットを生み出すスウィングについて話を聞くと、4つのポイントを意識しているという。
①「テークバックのクラブの上げ方」、②「トップからの切り返し」、③「インパクトでの体重移動」、④「フォローからフィニッシュまでの腕の畳み」だ。
とくに「フィニッシュバンザイ」がNGポイント。この「フィニッシュバンザイ」とは、フォローで腕が伸びて、両腕がバンザイの形になった状態のことをいい、腕を畳んでフィニッシュできるように注意している。
「テークバック」では、後方から撮った写真や動画をチェックしたときにグリップポジションとヘッドが重なって見えるかどうか。「トップからの切り返し」については、軌道(ヘッドとシャフト)が少し下がる動きでその動きの幅を確認するそう。動きの幅のわずかなズレをチェックして、いいときのスウィングを思い出し、好調なショットにつなげている。「インパクト」では左サイドに体が突っ込まないように、体重移動のバランスをチェックするという。
この4つのポイントが上手くいったときに、安定したショットが生まれるのだという。
プロテスト、QTと好調だった伊藤に、新人戦でも"トップ"を狙っているかを聞くと、「今大会は目の前の一打に集中して最終的に優勝できたらいいなと思います」と回答。
自らのスウィングをチェックし、修正できるポイントを理解していることが、トップ合格ルーキーの安定感の秘密かもしれない。
