
冬に飛距離が伸びるのは、実はちょっと危ない!?
適正な打ち出し角とスピン量が大切
みんゴル取材班(以下、み):最近の女子ツアーを見ているとどの選手もけっこうランが出ています。自分も冬になって地面が固くなったせいかランがけっこう出るようになりました。これは喜ぶべきでしょうか?
宮城:日本の女子プロはロフトを立ててランを増やすセッティングが主流になっていますが、飛距離アップしたいのなら適正な打ち出し角とスピンでキャリーを伸ばすのが王道です。以前、契約していた女子プロから誰々ちゃんにドライバーで10ヤードも負けていると相談を受けたことがあり、セカンド地点で確認したら誰々ちゃんはキャリーが200ヤードでランが50ヤードも出ていました。一方、相談した本人はキャリー220ヤードでランが20ヤードくらい。そのときは、キャリーでは全然負けていないし厳しいコースセッティングになるほどラン頼みは通用しなくなるので今のままで大丈夫と説明しました。
み:キャリーで飛ばすのに適正な打ち出し角とスピンはどれくらいですか?
宮城:日本の女子プロは打ち出しが13度くらいしかないのにスピンも2000回転くらいなのでキャリーが出ません。これに対してアメリカの選手は打ち出しがすごく高くてスピンが少ないのでキャリーで飛ばしています。平均的なアマチュアの場合も打ち出し角はロフト角プラス5度〜6度くらい、スピン量は2500から2600回転くらいは必要です。ちなみにこのスピン量はアメリカのカレッジゴルファーも目安にしている数値です。それに上がりやすいドライバーを使うことはティーショット以外にも大きなメリットがありますよ。
み:どんなメリットですか?
宮城:上がりやすいクラブで高さを抑えて打つことでフェアウェイウッドからアイアンまでスイングがよくなります。先日もピン契約のプロが、蟬川泰果のロフトが9度なんだからアマチュアは12度とか13度でいいんだよと話していました。
み:宮城さんのおすすめはロフト多めですね。そのほかにドライバーを選ぶ際のポイントを教えてください。
宮城:試打するときにほとんどのアマチュアはトータルで何ヤード飛んだとか、左右にどれだけ曲がったとかを気にしていますが、本質はそこではありません。極論を言えば試打室では右に曲がろうが左に曲がろうがどっちでもよく、打ち出し角、スピン量、ミート率をチェックするべきです。飛距離もランを含めたトータルではなくキャリーを比べるようにしてください。
