
東京都港区のゴルフスクール「広尾ゴルフインパクト」のインストラクター・後藤悠斗プロ
ウォーミングアップはより入念に

冬ゴルフで意識したい「ラウンド前の準備」とは?(写真はイメージ)
冬場のゴルフは暖かい時期とは勝手が違う部分が多い。まずラウンド前の準備段階から「『体を温めること』は最優先にやりたいですね」と後藤は言う。
「この話はラウンド前の時間が取れる方、準備を頑張ろうと思っている方というのが大前提ですが、ウォーミングアップは暖かい時期よりも入念にやったほうが良いです。
というのも、寒いと体が動かしづらいのもそうなんですが、何より筋肉が温まっていない状態で急に運動をして痛めてしまうのが一番怖いんです。首や肩、ひじ、手首……やはり急に動かすとどうしても怪我しやすいです。
別にパッと行ってパッとゴルフするみたいな方を否定するわけではないですし、暖かい時期と同じくウォーミングアップなしで朝イチショットを打ったってその人の自由なんですが、本当に怪我だけは気を付けてほしいです」(後藤、以下同)
冬場の場合「プロならまず朝にランニングしてからとかが全然普通でしたね」と後藤。「そこまでやれとは言わないですけど、ストレッチをしっかりとする、練習場で素振りを多めにする、2本持って素振りする……やり方は色々あるので、とにかく暖かい時期より時間をかけて体を温めてほしいです」とのことだ。
上半身は「薄手で暖かいインナーを重ね着」がオススメ
加えて気を付けたいのが服装。「冬ゴルフをする時に僕が一番お伝えしているのは服装ですね」と後藤。
「もちろんスウィングタイプにもある程度左右されるんですが、ゴルフスウィングって捻転、回転といった動作が多いので、わきの下や首回りが分厚くなると運動量が落ちるんですよ。なので『捻転量が多いな、自分』っていう方ほど、伸縮性が明らかになさそうなゴワゴワのニットとか、厚手のものは着ないほうがいいです」
暖を取りつつ少しでもスムーズに体を動かせる状態を作るなら「薄手で暖かいインナーを重ね着するのがオススメです」と後藤は続ける。
「僕自身はアンダーアーマーの裏起毛のアンダーウェアに、ユニクロのヒートテックを重ねて、その上はセーターやフリースといったアウター系。基本的にプレー中はその3枚までですね。ウォーミングアップの段階ではさらにもう1枚アウターを着ていたりします。冬用の暖かいインナーの進化ってすごいので、ゴルフブランドのものでもいいし、普通のアパレルブランドのものでも良いと思いますよ。
これで気温で言うと5度くらいまでは全然行けます。それより気温が下がってくると……それこそ北海道とか東北であれば、もうそこで冬にゴルフをする以上ある程度着込むのは仕方ないですし、そこまで寒いとそもそも雪でクローズになってしまうわけですしね。
『たった3枚で』と思うかもしれませんが、やったことない方は試してみてほしいです。めちゃくちゃ暖かいですから、その3枚で。体の動かしやすさが違うので、冬場のゴルフはアンダーウェアですごく差がつきますよ」
上半身に関しては極力薄手で回転しやすくして、逆に下半身は「あまり捻転しないですから、しっかり着込んで良いと思いますよ」とのことだ。
ただどんなに着込んでもクラブと自分の体の唯一の接点である手元が冷えてしまうと、感覚が変わりスウィングにも支障が出かねない。「手を冷やさないこともめちゃくちゃ重要です」と続ける。
「僕はミトンと、ポケットにカイロを入れています。そして指先は常にどんな状態でも冷やさないように、ずっとポケットに手を突っ込んでいるかミトンに手を入れています。100切りを目指すゴルファーがラウンド中にミトンを着脱する余裕があるかというとちょっと怪しいですが……。いずれにせよ、できる限り手元を冷やさないための準備はしたいですね」

プレー中に手元を冷やさないように、ミトンやカイロを準備しておこう
また「これは気になるのが僕だけ……というかそんなに大人数じゃない可能性があるので『私もそうかも』と感じたら気をつけて欲しいんですけど」と前置きしつつ「ネックウォーマー、あれ打てなくないですか?」と後藤。
「ネックウォーマーってプロアマ問わず普通にみなさん着用していますけど、僕は着けて打てないんです。というのも僕の場合、バックスウィングで捻転した時にあごと左肩が当たるんです。けれどネックウォーマーを着けていると、当たり方が変わって嫌なんですよね。
ただでさえ冬場は服装が変わって体の回し方の感覚も変わっちゃうのに、さらに違いが出ちゃうので僕は避けています。首元が寒かったらネックウォーマーじゃなくてタートルネックにすれば良いので、僕と同じく感覚が変わって気になるという方は気を付けてみてください」
協力/広尾ゴルフインパクト


