「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回は今年発売されたドライバーから宮城さんのベスト3を選んでもらった。
画像: 宮城さんはテーラーメイドQi35をイチオシに挙げる

宮城さんはテーラーメイドQi35をイチオシに挙げる

25年モデルは決め手に欠ける!?

みんゴル取材班(以下、み):毎年恒例のテーマです。2025年に発売されたドライバーの中から宮城さんのベスト3を教えてください。ちなみに昨年の1位はタイトリスト「GT」、2位がダンロップ「スリクソンZXi」、3位がキャロウェイ「パラダイムAiSMOKE」でした。

宮城:「GT」や「スリクソンZXi」など話題作のあった昨年と比べて今年のドライバーはちょっと不作気味でしたね。もちろんどのモデルも出来は良いのですが決め手に欠けるという印象です。期待しすぎたのかもしれませんが。

み:確かに、月刊ゴルフダイジェストの企画「D1グランプリ」でもタイトリストの「GT2」が2025年モデルを差し置いて2連勝していました。

宮城:「GT」のように抜きん出た存在はありませんが、やはり外ブラ御三家は安定しています。その中で1位に推したいのはテーラーメイド「Qi35」です。「ステルス」なんかはフェースが開いていて右にしか行かないようなクラブでしたが、昨年の「Qi10」からフェースがばんと閉じてアマチュアでも打てるようになりました。評価が高いのは「Qi35MAX」ですが、なんなら「Qi35LS」でも打てます。ただ、やさしくなった代わりにちょっとスピンが多いという声もが多いですね。

み:アスリート志向から我々アベレージレベルに近づいて来たというわけですね。2位はどちらですか?

宮城:甲乙つけがたいところですが飛距離性能に優れている点で、キャロウェイ「エリート」を2位にしましょう。「エリート」は「Qi35」と逆にフェースが開いていてアスリート向きです。とくに「トリプルダイヤモンド」は芯を食ったときの初速性能は圧倒的です。ただし、スイートスポットは狭めでミート率が高くて自分で球を上げられる人でないと飛びません。

み:昔の「ERC」の頃からキャロウェイは当たれば”バカッ飛び”するイメージがあります。

宮城:ピン「G440」は「LST」でも他社のMAX以上に重心深度が深くて曲がりませんが、ダウンブロー気味に打つ人やヘッドスピードの速い人が使うとヒップダウンが大きすぎて芯に当てづらく、スピンも増えて飛ばなくなる傾向があるので3位とします。

み:「ゼクシオ14」が発売されましたが日本のメーカーはどうですか? 

宮城:相変わらずフックフェースでスライサーにとっては救世主です。ただ、個人的には「ゼクシオ」にまでカチャカチャをつけたのはいかがなものかと思います。ユーザー層を広げたい意図は分かりますが、他のクラブと代わり映えしなくなってしまったような印象です。

This article is a sponsored article by
''.