時間帯でコースの状況がかなり変わる

東京都港区のゴルフスクール「広尾ゴルフインパクト」のインストラクター・後藤悠斗プロ
100切りを目指すゴルファーにとって、冬はスコア更新の時期としてどうなのだろうか。
後藤は「冬は100切りを目指す方が『この季節になっちゃったから、もう100切りは目指せない』となるほどではないですが、やはりあまりオススメではないですね。というのも、冬にだけ起こるコースの変化があるからです」と言う。いくつかあるなかでも、とくに注意したいポイントを解説してもらおう。
「まず冬ゴルフってコースの状況が1日の中でものすごく変わるんですよ。もちろん地域に寄りますけどね。
例えば僕は地元が愛知・岐阜の辺りで雪が降る地域なんですけど、グリーンが平気で凍るし、フェアウェイも凍っちゃう環境でした。でも日が出てくるとだんだん氷が解けてきますよね。
だから朝3ホールくらいは凍った状態。そして昼間になるにつれて氷が解けてウェットな状態になり、後半はさらに乾いてドライな状態になるんです」(後藤、以下同)
凍って、濡れて、乾く。この状況変化に、冬ゴルフを多く経験しているゴルファーは慣れているけれど「100切りを目指すゴルファーの場合、慣れていない方も少なくないのではと思いますね。時間帯や、何時スタートかによっても攻め方が変わってくるんです」とのことだ。
凍っているグリーンは「カート道」
加えて、グリーンが凍っている状態が非常に難しい。
「凍ると言っても芝じゃなくて土が凍っているので、フェアウェイやラフはそこまでガチガチじゃないんですよ、芝が長くてクッションになるので。でもグリーンは芝が短いので凍った土にダイレクトに当たって思いっきり跳ねます。
シンプルに、凍ったグリーンはカート道だと考えてください。こう聞くと難しいことが想像できると思います。キャリーで凍っているところに当たったら『カーン』ってカート道と同じように跳ねていきますよ」

凍ったグリーンはカート道くらい跳ねると後藤(写真はイメージ)
もちろんゴルフ場もグリーンにブルーシートを被せて対策している。「けれどグリーン全面を覆うのではなくピンポジ周りだけの場合もあります。これもゴルフ場に寄りますね」とのこと。
「それにどうしても寒い日の朝早いスタートだと凍ってしまっているので、そういう時はワンバウンド目をグリーンに乗せない、手前から転がして寄せることを考えたほうが良いですね」
「ランが伸びる」もあまりプラスにならない
グリーンより凍った地面の影響を受けづらいとはいえ、フェアウェイの土も硬くなる。すると跳ねるぶんランが出て飛距離が出やすい。これは冬ゴルフのプラス材料と言えるが「結局それも冬のデメリットでトントンです」と後藤。
「寒さで体が動きづらい、気温の低下による飛距離減少などで、ランが増える部分もあまりプラスにならないんです」
朝イチからマン振りはNG
また「朝イチからマン振りはあまりしないほうが良いですね」と後藤。
「そもそも寒さで筋肉が硬直して体が動きづらいです。できる限りスタート前にウォーミングアップして動く状態にしても、おそらく朝イチから万全の状態に持っていくのってなかなか難しいと思います。
朝イチから無理して振ると体がこわばっていて良い結果になりづらい状態だし、怪我する危険もあります。ウォーミングアップしたうえで、プレーしながら体を温めていきましょう」
協力/広尾ゴルフインパクト


