庶民ゴルファーのメッカのひとつというべき河川敷の老舗コースが姿を消す。埼玉県川越市の荒川河川敷に位置する「川越グリーンクロス」が今年で閉鎖される。
画像: 川越グリーンクロスの代名詞とも言える渡船。スタート時間ギリギリで焦って乗船した人も多かった

川越グリーンクロスの代名詞とも言える渡船。スタート時間ギリギリで焦って乗船した人も多かった

荒川流域は東京都と埼玉県にまたがり、流域内には日本の人口の約8%が集中している地域。昨今の大雨による洪水から守るために2つの調整池を整備。国土交通省の治政策のため、同コースは立ち退くことを余儀なくされた。

川越グリーンクロスは1967年、約66万坪の敷地に27ホール(パー108)で開場。設計は東急建設。創業は京信産業だが、2001年からはPGMグループに経営権が移行している。閉鎖までの経緯も説明しておこう。

2020年、国土交通省より「荒川第二・第三調整池整備事業計画」の説明を受け、現在使用している河川の占有許可が認められなくなる旨伝えられたという。当初2023年12 月31日をもって閉鎖されると発表。会員組織もこの時点で解散している。河川整備事業の工事延期により2024年1月以降はパブリックコースとして暫定的に営業を継続していた。最長で2026年3月末まで占用可能とされていたが、最終的には2025年12月31日をもって運営を終了し、閉鎖することが決定された。

「河川敷はいつかは返納しなければならないという脆弱な経営基盤ですが、都心から近く大衆ゴルファーにとってありがたい存在でした。個人的にもよくラウンドし、何より和やかにプレーを楽しんでいるゴルファーの笑顔を見るのが微笑ましかった」(ゴルフ場経営コンサルタント、菊地英樹氏)

TV解説者でプロゴルファーのタケ小山氏も「国民の健康のため(にゴルフはいい)というのなら、国や自治体がパブリックコースを持ったり増やす方向にいけばいいと思うのですが。今回はやむを得ないにしても……、残念です」と語る。同じ荒川流域にある大宮国際CCも来年8月より45ホールから27ホールに縮小して営業するなど影響も出ている。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年12月30日号「バック9」より

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