募集人数が半日で埋まる人気大会
節目の第10回大会を迎え、「『継続は力なり』だと思います」と感慨深げに語るのは、大会会長を務める㈱有賀園ゴルフ社長・有賀史剛氏。サンコーCCの寺本社長から『ジュニアの大会をぜひやってください』とお願いされたが、「KGAやJGAが長くやっているジュニアの大会がたくさんあるし、公式戦じゃない大会を有賀園ゴルフがやってもあまり意味がないのではないか」と迷いつつも、ジュニアに対して少しでも貢献できるのならと11年前にスタートした。

ジュニアにとって冬のメインイベントともいえる大会。関東以外からの参加も多い
日曜日開催なので学業への影響がなく、この時期は大きな試合がないため、関東以外からもトップジュニアが駆けつける。現在では160名の募集人数枠が半日で埋まるという人気ぶりだ。

ジュニアのためにと毎年この時期に大会開催を続けてきた有賀園ゴルフの有賀社長
人気の理由は他にもある。「子どもたちが1日だけ頑張って終わりではなく、次の試合につながるような大会にしたい」との思いから、優勝者や上位入賞者には特典として女子ツアーのマンデートーナメントやゴルフダイジェスト ジャパンジュニアカップへの出場権を付与している。また、「少しでも自分のゴルフの足しにして、親御さんに負担をかけないように」と、2024年からは有賀園ゴルフ商品券も特典に加わった。
「10年前は『宮里藍ちゃんになりたい』という子たちでしたが、今は岩井姉妹をはじめ世界で活躍しているお姉さん世代の女子プロを目指して頑張っています。その次の世代にも貢献したいので、子どもたちが出てくれる以上は続けたいと思います」(有賀史剛氏)

ただスコアを競うだけではなくマナーやエチケットの徹底ぶりもこの大会の特徴だ

日曜日開催だから学校を休まずに参加できると毎年小、中、高の男女約160名が出場
大会初の連覇達成者が誕生
3アンダー68に3人が並ぶ大激戦となった高校男子の部。大会規則によりイン9ホールのスコアで上回った原蓮太朗さん(群馬・共愛学園高3年)が優勝した。「有賀園さんとは仲よくさせてもらっていて、ずっと勝ちたかったんですけど昨年も2位で……。(出場が)最後の年でやっと間に合いました」
高校女子の部は、臼田藍さん(群馬・前橋育英高2年)が大会初の連覇を達成した。「この大会まで調子があまり良くなくて、『連覇は考えないで楽しくやろう』と思ったのがいい方向に行ってよかったです」。26年は3連覇の期待がかかるが、プロテストに挑むため「最後のつもりで臨みました」

高校男子の部優勝の原蓮太朗さん(左)、高校女子の部優勝の臼田藍さん(右)
中学男子の部優勝は、パープレー71で回った髙浦維吹さん(千葉・袖ヶ浦市立昭和中3年)。2025年の日本ジュニア、関東ジュニアを制した注目選手だ。「前半はショットのタテ距離が全然合わなくて1オーバーまで行ったのでダメかなと思ったんですけど、後半戦でイーブンまで戻せたのでよかった」
中学女子の部の覇者は村田芽依さん(長野市立篠ノ井東中3年)。1アンダー70をマークした。「このコースは苦手意識があったので、いいスコアで優勝できてうれしいです」。卒業後はアメリカのゴルフアカデミーに進み、「将来の目標はアメリカツアーで戦って、世界一になりたいです」

中学男子の部優勝の髙浦維吹さん(左)、中学女子の部優勝の村田芽依さん(右)
小学男子の部は井田悠清さん(埼玉・熊谷市立熊谷南小6年)が優勝。「バーディがとれなくて、耐えるゴルフでした。ドライバーが曲がったりしてしまったけど、アプローチ、パターでカバーすることができて、まとまったスコアになりました」
小学女子の部は飯野結心奈さん(東京・落合第六小6年)が2位に4打差をつけて制した。「前半は入れたいバーディパットが入らなくてノーバーディだったんですけど、後半にバーディチャンス5回のうち4回入ったのが大きかったです」

小学男子の部優勝の井田悠清さん(左)、小学女子の部優勝の飯野結心奈さん(右)
各部門の優勝者は有賀園ゴルフ商品券2万円と、「ゴルフダイジェスト ジャパンジュニアカップ」決勝戦シード権を獲得。また、中学女子の部優勝者に「ヨネックスレディス ゴルフトーナメント」、高校女子の部優勝者には「ヤマハレディースオープン葛城」のマンデートーナメント出場権が贈られた。
ジュニアゴルフの冬のメインイベントとしてしっかりと定着した有賀園ゴルフ ジュニアゴルフ大会。2026年大会も各部門でハイレベルな戦いが繰り広げられることだろう。
